甘酒は「飲む点滴」ともいわれ、美容や健康飲料、栄養補給剤として今、注目されていますよね。

 私も昨年8月、酷暑のランニングイベントで軽い熱中症になり、「飲む点滴」(=甘酒)の威力を体験しました! 本当にスーッと疲れが抜けていくんですね。驚きです(売れるはずです)。インテージのデータによると、その売上げは2年で4倍にも達する勢い。

 そんな「甘酒」は、大きく分けて4種類あるのをご存じですか? 原材料や製造法はさまざまで、栄養素も、期待できる健康効果も、それぞれに異なります。

 

 甘酒の効果は、「飲む点滴」としての「疲労回復、栄養補給」の他、女優やモデルなどがこぞって取り入れる「美肌効果」「便通改善」「ダイエット」、さらには「寝つき改善」「認知症に対するもの」まで、多岐に渡ります。せっかく飲むなら、自分の目的に合わせて、上手に飲み分けたいですよね。

 では、4つのタイプの「特徴」と、「こんな方に飲んでいただきたい!」オススメポイントをご紹介。

【酒かすの甘酒】肌改善、便通改善、コレステロール低下、寝つき改善、認知機能改善

 日本酒を作る工程で絞った、もろみ(=酒かす)を溶かし「砂糖」を加えたもの。本来は「かす湯酒」といわれ、「アルコールを含む飲み物」です。アルコール度数はわずかですが、日本酒独特の風味はむしろ強く残っているのが特徴。日本酒好き、お酒が飲める方にはこの風味がたまらないでしょう。今は蔵元ごとに商品が出されているので、お好みで風味の違いを楽しめます。さらに、最近は本格的な生酵母タイプもあります。このタイプはアルコール発酵が進むので、時間がたつと風味も変わってきます。

 この酒かす甘酒。特筆すべきは酒粕由来の酵母菌に優れた整腸作用があり、実際にヒト実験でも「肌改善」の研究データがあることです。

 さらに「レジスタントプロテイン」と呼ばれる難消化デキストリンによる「便通解消」と「コレステロール低下作用」も認められました。美容意識の高い女性たちに支持されるのも、うなずけますね。

 また、「認知機能改善」「安眠効果」にも良いとされていますから、家でのリラックスタイムにうれしいドリンクです。そのまま飲む以外に、「石狩鍋」や「かす汁」、魚や肉類をつけた「かす漬け」など、酒かすの風味を生かすとともに、タンパク質を柔らかくする効果があるので、和食に活用されています。菌は60℃以上で死滅するので、沸騰させず低温調理するのが栄養素の効果を損なわないポイントです。

 微量ですがアルコールを含むので、体質的にアルコール分解力の低い方、子供、妊娠中の女性、体力の弱いシニアの方には、刺激が強い場合もあるでしょう。このタイプの市販品にはほとんど、「砂糖」が入っています。ダイエット中や血糖値、中性脂肪が気になるなどメタボ対策には、裏の表示を見て、「砂糖」の量が控えめのものを選ぶとよいでしょう。

【米+米こうじの甘酒】飲む点滴(疲労回復)、免疫賦活、コレステロール低下、便通改善、マタニティ&離乳食にも

 米に米こうじと水を加え、蒸して熟成させたもの。ご飯のデンプンが糖化し自然の甘さを引き出すため、砂糖は不使用。江戸時代、夏場の風物詩として飲まれていた「甘酒」。「飲む点滴」はこのタイプです。

「飲む点滴」と呼ばれる理由は、『エネルギー源の「ブドウ糖」が豊富に入っているから。』と、思っていませんか?

 点滴は速やかにエネルギー減になる「ブドウ糖」だけでなく、体を構成し免疫力回復に必須な「アミノ酸」、それらの吸収や代謝を助ける「ビタミン」が、「速やかに体内で働く比率で配合」されています。つまり、甘酒も米由来の豊富な「アミノ酸」と「ビタミン」を含み、それが点滴と「ほとんど同じ配合」だったことが「飲む点滴」の理由。アミノ酸の中でも必須アミノ酸のBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)を多く含み、疲労物質乳酸の発生を抑える役割が。甘酒を飲用した陸上の長距離選手やバスケットボール選手の疲労度が軽減、回復されたというデータが複数発表されています。

 さらに、点滴よりも優れている点が、米こうじに含まれる「グルコシルセラミド」が腸内細胞を活性化させ、「免疫力を高める」こと。「甘酒を飲むようになって風邪をひかなくなった」「肌の調子がよい」と、古くから続く「甘酒」習慣が、学術的に立証されました。

 アルコールが入っていない米由来なので、このタイプは飲む人を選びません。米こうじの発酵によって、米の栄養素が吸収しやすい状態になっているので、離乳食後期(9カ月)以降の赤ちゃんの離乳食にも最適です。妊娠期、授乳期のマタニティ食にも、と親子の健康管理に役立ちます。腸内環境を整えることはストレス軽減と密接な関係があります。自然な優しい甘さは、デリケートなマタニティ期に癒しを与えてくれますね。

 熱中症のみならず、風邪など免疫が落ちたときや、登山、ウォーキング、ランニングなどスポーツ時のエネルギー補給とリカバリーにも効果的。事実、ドーピングの関係で薬を飲めないプロアスリートがこのノンアルコールの甘酒でシーズン中の体調管理を行っていました。食が細いシニアの方などの免疫力維持にもお薦めです。

「甘酒ブーム」をさらに盛り上げる、新たなニュースとして、金沢工業大学は米を原料とする市販の甘酒に「コレステロール低減」と「便通改善効果」が高い「プロラミン」という「レジスタントプロテイン」が含まれていることを日本農芸化学会2018年度大会で発表。そして、4種類の甘酒の中で、【米+米こうじタイプ】が最も多く含まれていることが分かりました。メタボやダイエットにもつながるということですよね。

 しかも、このタイプは「砂糖不使用」。米由来の自然の優しい甘さは、砂糖(=ショ糖)による『血糖値スパイク』と呼ばれる急激な上昇や、激しい中毒性がなく、緩やか。体に優しい甘みなので、ダイエット中のおやつとして。ストレス解消にもお薦めしたいタイプです。

【米こうじの甘酒】エネルギー補給、整腸作用、ノンアルコール

 

 米こうじ由来でノンアルコール、砂糖不使用なので、飲む人を選ばず、栄養補給ができます。また米こうじ由来のオリゴ糖や食物繊維の働きで「整腸作用」もあります。

 ただし、米を使用していない分、【米+米こうじのタイプ】に比べると、アミノ酸をはじめとした栄養素も、効果も弱くなり、「飲む点滴」とはいえないかもしれません。でも、製造に時間がかからず、リーズナブルで手頃なタイプが多いので、手軽に楽しめるメリットがありますね。

【酒かす+米こうじブレンドの甘酒】エネルギー補給、便通改善、コレステロール低下

 こちらも、米を使用していない分、【米+米こうじのタイプ】に比べると、「アミノ酸」をはじめとした栄養素も、効果も弱くなり、「飲む点滴」としての配合とは異なります。ただし、米こうじと酒かすのそれぞれが「レジスタントプロテイン」を豊富に含み、【米+米こうじタイプ】に次いで「コレステロール低下」「便通改善効果」が認められました。

 微量でもアルコールを含むので、飲む人とシーンは選びましょう。また、市販の商品によっては砂糖が入ったタイプもありますので、ダイエット中の方は裏面を見て購入すると安心です。

 いかがでしたか?

 今回は4タイプの甘酒をご紹介しました。目的別にお好きなタイプを選んで、飲んで、お気に入りを探してみてください。

 次回(3月10日)は、飲む点滴【米+米こうじタイプ】の「タイミングと飲み方」をご紹介します!