瀬戸内海に浮かぶ島「佐柳島」(さなぎしま)。実はここは、周囲約6kmの島内にたくさんの猫がいる猫島として知られています。特に、猫たちが披露する防波堤の切れ間をジャンプする姿は猫好きさんの間で話題になっていました。しかし、この島には飲食店も泊まる場所も無く、島の猫たちや島独特の自然にゆっくり触れてみたいと思っても、その日のうちに船で帰るしかありませんでした。

 そんな佐柳島に2017年、待望のカフェ兼ゲストハウス「ネコノシマホステル」がオープンしました。20数年前に廃校になった小学校の木造校舎が新たな宿泊施設として生まれ変わったのです。開業したのは大阪で古書店を営んでいた村上淳一さん・直子さんご夫妻。全くの経験ゼロからスタートしましたが、島に訪れる旅行者、若い女性に大人気の素敵な宿泊施設に仕上がっています。

 部屋は3つの個室と低価格のドミトリータイプ。どの部屋も教室をそのまま生かした内装で懐かしさに浸れます。また、別棟にはシャワーやトイレも完備。元職員室はカフェスペースとして宿泊者以外でも利用でき、地元の食材を使ったおいしい夕食も頂けます(宿泊者のみの予約制)。

 さて、ここの看板猫は、片腕にキジ模様のある「ノック」と両腕が白い「フック」、2匹ともお母さんで、その子供たちも合わせると9匹の大所帯がフリースペースである音楽室で過ごしています。昼間は出掛けてしまうこともあるそうですが、心配は無用。ここは猫の島なので宿にも他の猫が遊びにきます。もちろん、船の発着所近くなど、島にはいくつもの猫スポットがあって、いつでも触れ合うことができます。

 数年前まで大阪で暮らしていた村上さん夫妻にとって、人生が180度変わったきっかけは、ご主人のお父さんが佐柳島出身ということ。里帰りのつもりで訪れた際、佐柳島の美しい景色と廃校になってしまった小学校の校舎に強く心を引かれたそうです。村上さん夫妻の試みは地域活性化として自治体の協力も得ることができ、その後、順調にオープンすることに。もちろん、この島の人たちの理解と協力もたくさんありました。今では宿泊業の傍ら、お年寄りが多い島民のため、郵便物や荷物を配達したり、フットワークが必要な仕事もこなしています。

 

 校舎は昭和29年に建てられた物。高い天上に土間の廊下がオシャレです。

 

 個室は1~4人まで利用できる「資料室」「理科室」の部屋。2段ベッドの最大8人まで泊まれるドミトリースタイル(相部屋)は「図書室」だ。

 

 村上さんができるだけ木造校舎の雰囲気をそのまま残したかったという、板張りの床に黒板のある教室は音楽室。イベントなどに貸し出すフリースペースです。

 

 2つの港をつなぐ道沿いにある夕日を浴びた「ネコノシマホステル」。目の前は海だ。

 

 住み慣れた大阪を離れ、佐柳島でゲストハウスのオーナーになった村上純一さん・直子さんご夫妻。

 

 奥様の直子さんは元ディスプレイデザイナー。小学校の教材をディスプレイに使ってオシャレな空間になっている。

 

 ネコノシマホステルのメンバーをご紹介します。まずは片腕にキジ模様のある、カワイイ系美人猫「ノック」

 

 両腕が白い、クール系美人猫「フック」

写真提供:ネコノシマホステル

 ホステル開業当時はノックとフックの2匹だけでしたが、今ではご覧の通り合わせて7匹のお母さんです。音楽室を所狭しと走りまわる姿は圧巻です。

写真提供:ネコノシマホステル インスタグラム→キヌゴシゴシ

 カメラ目線のカワイイ子供たち。インスタにもカワイイ写真がたくさんアップされています。

 

 イベントなどにも利用できる音楽室。空いているときは9匹の住まい兼遊び場です。

 

 教室の窓から静かな海を眺めていると時間のたつのを忘れそうです。

 

 個室の黒板には宿泊ノートのように利用者が書いていったメッセージがいっぱいで楽しい。

 

 島には長崎と本浦の2つの港があり、両港を結ぶ道の中間に「ネコノシマホステル」があります。写真は長崎港。

 

 堤防近くの猫は、こんな風に気が向いてくれたら目の前でジャンプしてくれることも。

 

 美しい島の景色を眺めながら、猫の撮影しているカメラ女子も多数訪れています。

 

 路地の奥から現れた白黒猫のファミリー。こんな光景が見られるのもこの島ならでは。猫たちは島民より数が多いそうです。

 

 こんな風な猫だまりが、あちこちにあって、猫探しをしながらの散策が楽しい。

  • ネコノシマホステル+喫茶ネコノシマ
    香川県仲多度郡多度津町佐柳1353(佐柳島)
    香川県「多度津港」からフェリーで約1時間
    電話 0877-35-3505
    火曜定休
    http://neconoshima.jp/
    Instagram:kinugoshigoshi