コンセプトは「『素材の美味しさ』を日々実感できるお店」。都市部であえて素材を打ち出す新フォーマットの開発に際し、屋号を「八百幸」に。素材販売が中心であった創業の頃の原点も意識した。
青果は鮮魚と並ぶ重点部門。売場を広く取り、仕入れも他店と変え、主任が市場仕入れ。品揃えの約半分を個店仕入れの市場調達の商品とする計画で、平台も平らなものを導入。棚割りも柔軟にできるようにしている。

 ヤオコーは11月7日、本格的な都市部出店をにらんだ新フォーマットの1号店となる「八百幸成城店」をオープンさせた。

 同社が標準としてきた600坪クラスの約半分となる300坪タイプの「都市型小型店」として、品揃え、オペレーション面を含め、約2年間の研究を重ねてきた成果がこの店舗。

 出店場所は京王線、小田急線の駅からそれぞれ約1.7kmの住宅地で周辺の人口も増加しているという。

惣菜ではなく、素材を全面的に打ち出した

寿司は、デリカ部門ではなく、鮮魚部門が担当。しゃりもアウト化している。売場としては鮮魚から寿司、デリカ部門が手掛ける魚惣菜へと続く。

 店作りのポイントは、「素材の打ち出し」を強化したこと。

 標準店の単なる縮小版になることを避け、めりはりを付けることで、ヤオコーとしてはあえて得意の惣菜をはじめとするミールソリューションの要素を強めず、素材を全面的に打ち出し、「手料理」ニーズに応えた(生鮮3品の売上高構成比は50.2%を計画している)。

惣菜は壁面の温惣菜、平台の米飯などインストア加工商品も数多く品揃えする一方で、おはぎ、レンジアップ商材やサラダなどアウトパックの商品を組み合わせ。100g当たり99円のおかずバイキングを導入した。

 特に重点的に強化しているのが青果と鮮魚。

 それぞれ専属のバイヤーが毎朝、市場で買い付け、店に直送する商品を展開。青果は部門の主任がバイヤーを兼務する形で実質的な個店仕入れの態勢となっている。

 一方の精肉は、豚・鶏を中心にアウトパックを導入しているものの牛肉はインストア加工にこだわるなど、こちらも都市部で競争力の高い素材をしっかり売るという意識がよく表れている。

日配も既存店で導入するセミ多段ではなく、段数の多いケースを活用し、狭い売場の中でSKU数を確保。ワインやナチュラルチーズなどは品揃えを標準店より強化している。

 生鮮を重視した分、加工食品は縮小。全体のSKU数は8370で、標準的な約1万3000から大幅に絞り込まれたが、その多くがグロサリーだ。

 ただし、その中でも、ゴンドラを高めるなど、可能な限りSKU数を確保する工夫をした他、ワイン関連のナチュラルチーズなどはむしろ標準店より品揃えを強化した分野もあるなど、こちらもめりはりを付けている。

 また、デリカの売上高構成比は8.5%の計画で、これも、店によっては同数値が15%に達することを考えるとかなり低い数値になっている。

 もっとも、これには標準店のデリカが「惣菜」と「寿司」「ベーカリー」の3部門で構成されるのに対し、成城店はそのうちの「惣菜」のみの展開であることも影響している。今回、人手の問題もあってインストアベーカリーの導入を見送った他、寿司については鮮魚部門が担当することにした。

高回転の商売が確立できるかが問われている

 不動産費が高い都市部での運営ということもあり、建物をピロティ形式とし、1階に駐車場、2階に売場を設けるなど、高コストをカバーする工夫がいくつか見られるが、やはり、根本的には「単位当たり売上げ」をいかに高めるかが大きなポイントになる。成城店の年商予定は初年度20億円。坪当たり約690万円の高水準だ。市場仕入れを活用した生鮮食品中心の高販売効率、つまり高回転の商売が確立できるかが問われる店舗といえる。

 

所在地/東京都調布市入間町1‐35‐1
開店日/2017年11月7日
営業時間/9時30分~21時
敷地面積/680坪
延べ床面積/707坪(床面積)
店舗面積/291坪(売場面積)
駐車台数/24台
駐輪台数/53台
休業日/年間12日
年間売上高/初年度20億円(予定)
店長/木村俊夫
従業員数/正社員18人、パートナー・ヘルパー・アルバイト75人(延べ人数)
商圏人口/500m 圏内8600人(3900世帯)、1km圏内3万5400人(1万6100世帯)、2km 圏内16万900人(7万9100世帯)

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