春は冬の間、土中で眠っていた種が芽を出すように、生きものが活動を始める季節。

 私たち、人間も同じです。

「春の皿には苦味を盛れ」ということわざがあります。寒さを乗り越えるために体に溜め込んだ脂肪を「苦味による刺激」で排出して、春用の動ける体に準備をするという、古くからの“食養生“です。

 インド・スリランカの伝統医学のアーユルヴェーダでも、春はデトックスの季節とし、苦味のある野菜を食べることは、この季節の健康を保つ方法とされています。苦味のある春野菜といえば山菜。そして、もう少し身近で取り入れやすい野菜といえば。菜の花、キャベツ、ブロッコリーなどがありますよね。

 これらの野菜は「アブラナ科」に属します。そして、このアブラナ科の特徴である独特のピリッとする「苦味」。これが「イソチアシアネート」と呼ばれるイオウ化合物で非常に強い抗酸化、抗炎症作用を持っており、国立がんセンターの調査発表では、がん、心疾患、脳血管疾患の死亡リスクが低下したとのデータもあるほど。

 この「イソチアシアネート」には肝臓で行われる毒素の無毒化を助ける働きがあります。

 肝臓はアルコールの分解だけでなく、体のデトックスを担う臓器。アルコールを飲まない人の脂肪肝が増えています。最近、疲れが取れない、太りやすくなった、顔色が悪いといったプチ不調も、肝臓が弱っているサインの場合が。冬に暴飲暴食をしちゃった……という方も大丈夫です! 春野菜を食べて、スッキリ、春を迎えましょう!

 では、中でもオススメの最強デトックス野菜をご紹介します!

1.キャベツ:肝臓も胃腸も助けてくれるすごい野菜

キャベツ

 コンビニやスーパーマーケットのカットキャベツなどの普及で1年中、手に入る身近な野菜といえばキャベツですが、柔らかくみずみずしい春キャベツは、生で食べると格別のおいしさですよね。

 ニンニクに次いでガン予防に高い効果があると認められた、スーパーフードです。キャベツはアブラナ科で、肝臓の解毒を助ける「イソチアシアネート」の他、苦味成分の「ペルオキターゼ」という抗酸化物質は体内で発生した活性酸素を除去してくれます。

 さらに特筆すべきは胃粘膜を保護してくれる「ビタミンU」(別名=キャベジン)。これは胃や十二指腸潰瘍の修復や予防に良いとされ、ヨーロッパでは胃潰瘍や胃弱者にキャベツの絞り汁を飲ませた民間療法から発見されたと言われています。抗酸化のビタミンC、血液の健康を保つ葉酸などの相乗効果で、新陳代謝を底上げしてくれます。

 生キャベツはもちろんのこと、酢キャベツにしたり、炒めてパスタに入れたり……、温めてもイソチアネートの効果は変わりません! ぜひ、いろいろと楽しんで食べましょう!

2.ブロッコリー&ブロッコリースプラウト:ブロッコリーは新芽がもっとすごい!

ブロッコリースプラウト

「野菜の王様」ブロッコリーもアブラナ科。「イソチアシアネート」はもちろんのこと、ベータカロテン、ビタミンC、Eを含み、ずば抜けた抗酸化作用を誇ります。ブロッコリーの旬は11〜3月ころ。デトックスの春野菜ですね。手軽な冷凍食品も栄養価の高い旬に収穫したものが多いので、手軽に取り入れられ便利です。

 そんなブロッコリーですが、最近、注目されているのが「ブロッコリースプラウト」。ブロッコリーの新芽です。このブロッコリースプラウトに含まれる「スルフォラファン」が、肝臓の解毒作用を助けたり、細胞分裂を活性化して新陳代謝を促すなど、さまざまな健康効果があり、その量はブロッコリーの10倍以上なんです! しかも、カイワレ大根のように生でそのまま食べられますから、ブロッコリーを「ゆでるのが面倒!」という方でも超カンタン。水耕栽培で作られるので価格も1パック100円前後とリーズナブルなのもうれしい。

 オリーブオイルなどと一緒に食べると効果アップ! ブロッコリースプラウトをチーズで巻いて、カンタンなおつまみに。肝臓に必要な良質なタンパク質も摂取できます!

3.ラディッシュ:二十日大根。彩りよく、そのままパクリ!

ラディッシュ

 赤と白のコントラストで彩りもよく、生でも食べやすいラディッシュ。アブラナ科ダイコン類に属します。もちろん、「イソチアシアネート」を含みますが、それだけでなく、消化酵素の「ジアスターゼ」は胃腸の消化を助け、解毒の促進につながります。「オキシターゼ」はステーキや揚げ物などの「焦げ」に含まれる有毒物質を無毒化し、肝臓の負担を軽くしてくれます。ぜひ肉類のお皿に添えたいですね。皮の部分に栄養素が凝縮されていますから、そのまま食べられるラディッシュは便利! 葉っぱも柔らかくそのままサラダとしておいしく食べられます。βカロテン、ビタミンA、Cと抗酸化ビタミンがたっぷりですから、捨てずにぜひ、いただきましょう!

 いかがでしたか?

 お酒にもぴったりのほろ苦い春野菜。

 肝臓にもいいのなら、なおさら箸が進みますよね。ぜひ、お試しください!