向かい合ってあるセブン-イレブンの店舗。写真右側の道路沿いには先日、新店が1店舗オープンした(都内で撮影)

 加盟店の商圏内に同一チェーンの他店舗(直営店・他の加盟店)が出店する場合があります。加盟店にしてみれば、商圏が脅かされて売上げに大きな影響を与えるため、見過ごせない事態です。

 このような場合、加盟店は本部に対して商圏内での出店や販売の停止を求められないのでしょうか? いわゆる加盟店の「テリトリー権」の問題です。

テリトリー権の意味、知っていますか?

 まずは「テリトリー権」の意味を正しく理解しておきましょう。

 FC契約では本部が加盟店に対してその販売地域を指定する制度を採用する場合があり、この制度を「テリトリー制」といいます(一般社団法人フランチャイズチェーン協会『改訂版フランチャイズ・ハンドブック』330頁、商業界、2017)。

 この「テリトリー制」には販売地域内に加盟店を1つしか設置しない「クローズド・テリトリー制」と複数設置する「オープン・テリトリー制」があり、後者の場合、加盟店には指定された地域での独占的・優先的な出店権や販売権などが保障されることになります。このような権利をまとめて「テリトリー権」と呼びます。

テリトリー権の内容は契約書の定めによる

 加盟店のテリトリー権といっても、その具体的な内容はFC契約により、さまざまです。通常はテリトリー内での出店権・販売権の独占を意味しますが、これにテリトリー外での販売活動・宣伝広告活動の制限がかけられることもあります。

 また、その保障程度も、完全な独占権を付与するものもあれば、単なる優先権にとどまるものもあり、効力もその権利の内容・程度により異なってきます。

 独占権の場合、その加盟店の承諾がない限り、本部が直営店を出店できませんし、他の加盟店の出店も許諾できませんが、優先権の場合には、それが確保されていれば、本部が直営店を出店したり、他の加盟店の出店を許諾できます。

 このように、テリトリー権の具体的な内容は加盟店と本部のいずれにも重大な影響を及ぼします。そのため、中小小売商業振興法では書面交付義務や説明義務の内容としてテリトリー権に関する記載・説明すべきこととされており(中小小売商業振興法11条1項6号・同施行規則10条9号)、FCガイドラインでも、加盟店の募集にあたってテリトリー権や近隣への出店計画の有無・内容の開示が的確に実施されることが求められています(FCガイドライン2⑵ア⑧)。

 ちなみに、コンビニエンス・ストアの主要3社(セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソン)の法定開示書面では、加盟店にテリトリー権は付与されないことが明記されています。