「GENDER FREE HOUSE」のストア・ファサード。期間限定で有楽町マルイ8Fにオープンしている。

 2月16日(土)~3月3日(日)までの期間で有楽町マルイ8Fに登場したポップアップストア「GENDER FREE HOUSE」。性別、年代、身体的特徴を超えて「自分らしさを見つけ、なりたい自分になれる」をサポートするスペース。フレッシャーズ、就活、新生活本番となるこのタイミングに、新しい取り組みとして注目した。

ジェンダーフリーを想定したカジュアルなスタイリング

コミュニティづくりや交流が目的に

ジェンダーフリーファッションについての考えが表示されている

 このポップアップストアはオンラインショップを補完するもので、商品の店頭引き渡しはしない。気に入った商品はオンラインで購入して、後日、それが家に届く仕組み。従来の物販中心の発想とは違い、コミュニティづくりやその交流を目的とした体験重視のストアになっている。

 店内は大きく「ビジネスウエア」「メイクアップ」「カジュアルウエア」の3つに分かれていてメイクアップの方は資生堂と協業して美容部員も常駐している。メイクアップレッスンも事前予約、当日受付など「学び」が受けられる仕組み。ビジネス関連はマルイの自社PBのVISARUNO(ビサルノ)、カジュアルウエアはマルイおなじみのブランドやスポーツブランドなど計11ブランドが参加している。

ジェンダーフリーに並べられた靴は壮観!

モノ売りから脱却し、体験型に移行中

 もともとショッピングクレジット業務が営業利益の柱である同社にとって、小売りセグメントの利益貢献度は決して高くはない。しかも、ビジネスモデルを仕入れ契約に基づく百貨店型から不動産契約によるSC型定期借家型へと転換中で、不動産型に移行した売場面積比率は2015年3月末の7%が、2018年9月末には96%まで高まっている。

 こうしたモノ売りから脱却を図る同社にとって、小売りの理想形として目指しているのが体験型。昨年4月に新宿マルイに誘致した「Apple新宿」をはじめ、インターネット販売にも力を入れている。

 そのインターネット販売だが、マルイが「マルイウェブチャネル」を開設したのは2006年と業界としては早めに着手した方だった。現在も店頭とECの在庫連携や、ECで購入した商品の店頭受取サービスなどを進めている。

 丸井グループの2018年3月期のEC取扱高は、前期比約8%増の230億円。EC化率は17%で、2004年に運営を始めたZOZO TOWNに大きく水をあけられているのが現状。特にスマホからのコンバージョン率に課題があるようで、スマホサイトのユーザーインターフェースの最適化を、外部の知見を取り入れながら進めているようだ。

粗さも目立つが、応援していきたい

ストア内のコミュニティスペース
2人同時に入れる広さのフィッティングと、フィッテイング後の姿も見られないように配慮された2重カーテン

 今回、マルイが取り組んだ「GENDER FREE HOUSE」。マイノリティ支援のための啓蒙活動としては評価したいが、ネーミングそのものの浸透度はまだ低いような気がする。ジェンダーレス、ノージェンダーと呼び名もいろいろとある中で、LGBTとの違いなど、まずはジェンダーフリーそのものの理解を広げなければならない。

 そうした中でで、肝心の「GENDER FREE HOUSE」特設サイトの購入ページに飛ぶといきなり、性別など従来カテゴリーのままに選ばされたり、ビジネス関連商品が含まれていなかったりと、ユーザーインターフェースの粗さも目立った。

 しかし、コンセプトは有意義だと思うので、1回きりとはいわずジェンダーフリー啓蒙活動に継続して取り組んでいってほしいと感じた。

身長150~195cm、ウエスト61~151cmとサイズショップの強みも生かした設定
資生堂のメイクアップコーナーの一部