新たな入力が必要ないのもAmazonの強み

「メーカーのネット直販」からも、また違った視点が見えてきます。

 日頃、Amazonで購入している、とある有名銘店の洋菓子セットをメーカーHPから注文してみると、さすが老舗の洋菓子銘店だけあり、カッコいいHPで、そこでしか取り扱わない限定商品もある。早速、商品を選んで自分の名前と住所、メールアドレスを入力し、全く問題なく購入できたのはいいのですが、メーカーHPから購入する場合、こうした一連の個人情報の入力をメーカーごとにしないと買えません。

 一方、Amazonはというと、この洋菓子メーカーに限らず、他社のほとんどの商品の注文もギフト配送もでき、価格は同じ。一度、個人情報を入力したアカウントを持っているので、新たな入力作業は必要ありません。他社の商品も選べ、手間なしで幅広く買物ができるのです。

手数料を支払ってでも決済の便利さを追求せよ!

 これはチェーンストアも同じ。会計の正確さやレジのスピードは顧客満足度の1つの指標となり、買物に行く店舗を決める一因になります。

 会計の際にクレジットカードを出すと「うちはクレジットカードは使えません」と言われた経験はありませんか? このように国内のチェーンストアの中には、まだ現金払いをビジネスモデルのベースにしており、クレジットカードが使えない企業もあります。

 もちろん、それは各社の考え方なので自由ですが、クレジットカードの手数料を支払ってでも、顧客満足度を高めようとする企業は、それなりに評価が上がります。その陰には、その企業を支える、それなりの人時生産性を出す仕組みがあるということです。

決済方法の壁をなくして客数増を実現

 直近のクレジットカードの利用率は欧米が50%を超えているのに対し、日本は14%です。たかが14%ですが、日頃カード支払いをメインにしている人にとっては、クレジットカードが使えない店は選ばないということです。

 クレジットカードのメリットは、会計処理の速さが一番ですが、その他にもクレジット会社が発行する利用明細が家計簿や帳簿代わりになり、帳簿入力の必要がないことも挙げられます。

 今、電子マネーによるキャッシュレス化も諸外国で急成長する中、日本だけがそれに逆行するとは考えにくく、決済方法の壁をなくし、買物できるようにすることが客数増の1つの手段となるのは、火を見るより明らかです。

Amazonとは戦わず、優れた機能は活用せよ!

 Amazonが成長し続ける背景には、『こうした人口が増え続けたときの緩い商売のやり方で顧客満足度を落とし続けたチェーンの弱点を突いたプラットフォームづくりをやってのけたこと』があります。

 品切れはお客さまを減らし、決済機能の不便さは客数を増やす壁になるという実に基本的なことを、Amazonは仕組みを使って確実に迅速に行っているから、顧客の心を離さず、ユーザーを増やし続けられているわけです。

 これからはAmazonと戦うのではなく、現状を反面教師にして自らの生産性を高めつつ、Amazonの優れた機能は活用していくことが人口減少マーケットを生き抜くコツといえるでしょう。