競合出店のインパクトにも最短で対策可能に

 実際の活用方法としては、店舗ごとの顧客の増減や、売上動向などを見ています。商品ごとの売上も管理し、ドリルダウンで部門別から単品までの状況が見られるようになっているのが良い点です。
 スマートフォンからも確認ができるので、私が店舗を回る時は駐車場でDomoのデータを5分間俯瞰するようにしています。そうすると、だいたい問題点がわかります。「惣菜部門では寿司が失敗したね」といったように、これまで以上に担当者とリアルな話ができるようになりました。
 こうしたリアルタイムのマネジメントが力を発揮するのは、環境が大きく変わった時です。昨年、弊社の商圏に大手スーパーが出店しました。その周辺の10数店舗が影響を受けると予想し、その影響をシミュレーションしました。対象店舗は客数やその年齢構成、部門別の売上などを複数観点で毎日評価を出して、問題がありそうなところに対策を打ちました。

 

 結果としては、影響を改善できた店舗も多くありますが、落とした売上をいまだに戻せない店舗もあります。売上の悪い店舗は本部からの支援も入れて対策を打つことになりますが、こうした対策も今までは時間がかかっていました。今回の場合は競合が出店してから3週間で趨勢がわかり、部門別で取るべき施策を明確に出すことができました。
 レポート作成の点では、パワーポイントのアドオンを入れることで、スライドにその時点のリアルタイムデータが自動で反映されるようになりました。それまで作業に4時間くらいかかっていたものが、一気に作成できています。本当に楽になりました。

データ連携がイベント施策にも効果 

イベント施策について説明する
株式会社マルイ 経営推進室 顧客管理担当マネージャー 辻路也氏

  ここからはイベント施策での活用例をご紹介します。まずは商品の売り込み企画の事例です。この時は、対象の商品が各店でどれくらい売れているかを毎時更新し、全店舗で分かるようにしました。数字によって成果が見えるようにしたことで競争意識が芽生え、スタッフのモチベーションアップにつながりました。
 また、4つの小規模店舗のための精肉加工のプロセスセンターでは、POSの売上データと店内カメラを合わせて確認することで、製造数をコントロールしています。その結果、機会損失を抑えることができ、120%の売上高増加につながった店舗もあります。
 そして、駐車場のスペースを利用した試食・体験イベントを開催した際は、ICカードリーダーに会員カードをかざしたお客様に割引券を配布する施策を行いました。

 

 会員番号をGoogle Sheetに記録し、Domoと連携させることで、割引券の利用割合や、どの年代がどのエリアから来場しているかが可視化できました。このタイプのイベントではこれまで分からなかったデータです。
 さらに、店舗内のエリア別販売総量を可視化することで、どこにどの商品を置くことが効率的かを検討できます。今後はメーカー様と協力して、販売総量の最適化に活用したいと考えています。

中小の小売はトップダウンで情報化を 

 Domoを導入して実感したことは、弊社のような規模の会社が情報化を進めるには、まずトップダウンで進めることが必要不可欠だということです。
これまでシステム導入は投資リスクがあり、意思決定しづらい面がありました。しかし、現在は初期投資が低く抑えられるクラウドサービスが多くあります。小さく始めて、取捨選択すればいいのです。
 その点で、Domoは弊社の情報化の旗頭になってくれました。役員が店舗のデータを知り、携帯で問題点を指摘することが評価されるとなれば、組織は変わらざるを得ません。変化が上から始まることが重要なのです。
今後は財務会計との連動や、気象データ、周辺地域のイベントデータを取り込むなど、さらに活用の幅を広げていきたいと考えています。