ナチュラルチーズが市場をけん引

 チーズ市場が好調だ。直近5年で見ても年々拡大傾向にあるが、2018年1月~12月期の販売金額および販売容量はそれぞれ1739億円、9万2781トンと2002年*以降過去最高を記録。2002年比で実に金額151%、容量117%の大幅増となっている(インテージ全国小売店パネル調査〈SRI〉調べ。2002年*としているのはデータの連続性を担保するため)。

 
 

 チーズは主に、ナチュラルチーズ、プロセスチーズの2カテゴリーに分類されている。ナチュラルチーズとは、乳に乳酸菌を作用させ、凝乳酵素を加えてできた固まり(凝乳)から、水分(乳清)を除いたもので、モッツァレラやカマンベール、ブルーチーズなどが挙げられる。プロセスチーズは、ナチュラルチーズを加熱溶融し、再び成型したものを指す。

 種類別に動向を見ていくと、ナチュラル・プロセス共に顕著に拡大しているが、特にナチュラルチーズの成長が著しく、直近5年の全ての年でプロセスチーズの伸びを上回っている状況だ(金額ベース)。

健康ブームを追い風に、幅広い層から支持

 チーズの健康効果についてはたびたび多くのメディアで取り上げられているが、中でもブルーチーズやカマンベールなどナチュラルチーズについての情報発信が多い印象である。

 2018年3月にはテレビ番組内でブルーチーズが血管年齢を若返えらせるといった情報がもたらされて需要が急増し、一部店舗では品薄状態になった模様。実際にブルーチーズの2018年月別の容量前年比を見てみると、3月には急激な伸びが見られ、それ以降も前年を上回って推移している(図表③)。ナチュラルチーズ市場拡大の背景にはさまざまな要因が考えられるが、メディアによる情報発信も1つのきっかけになっているに違いない。

 

 では、どういった人が買っているのだろうか。パッと思いつくのは「健康情報に敏感なシニア層」だが、実際にナチュラルチーズ購入者における年代別の購入量を見てみると、30代以上で増加していることが分かった。

 購入率(間口)と購入者当たり容量(奥行)を見ると、10~20代を除く年代でそれぞれ増加。シニア層だけでなく、消費の中心を担う30代からの幅広い年代で新規ユーザーが増加、かつ既存ユーザーの購入量が増加しているということになる(図表④インテージ全国消費者パネル調査〈SCI〉調べ)。