「人の印象の専門家」の吉武利恵です。

 人の上に立つ、人を率いるリーダーこそ、人を魅了する「振る舞い」が必要だと思いませんか?

 日本の礼法は、日本人としての教養の1つで、育ちの良さや教養のある印象を与えます。今回は基本の振る舞いとリーダーとしての振る舞いをご紹介します。

「美しい振る舞い」というと、「美しい動作」を思い浮かべ、特に女性に向けた言葉に感じる方が多いかもしれません。しかし、これを男性に言い換えると、「合理的で無駄のない動作」になります。省略の美とも言えますね。

 世の中にあるマナー本は女性や若者が対象の本が多く、下位者から上位者へ、もしくは対等なお付き合いを想定しています。主に形や角度、回数などをマニュアルとして記したものがほとんどで、上位者から下位者に対する振る舞いを扱っている書籍は少ないのが現状です。

 茶の湯の世界では「型」から入るといわれています。それは流派により型が決まっていますし、お茶会という場面も決まっているからできることです。

 しかし、礼法はさまざまな相手、さまざまな場面、さまざまな時代に対応しなければなりません。1つの型だけでは対応しきれないのが現状です。

 過去にマナー本を購入したことや、マナーに関してインターネットで検索した経験はありませんか? そのときの目的は恥をかかないためにマナーの手順などを確認して、安心を得ることだったのではないでしょうか。

 日本の礼法は、自分が恥をかかないために安心を得るものではありません。形や角度、回数よりも先に、相手への思いやりや優しさ、配慮などの「心」がこもっている動作であるかを重要視しています。大切な相手と心を通じ合わせ、コミュニケーションを円滑にするために最も重要な役目を果たしてくれるものです。

 心のこもっていないマニュアル通りのお辞儀や感謝の言葉では、人を感動させることは難しいでしょう。

(好印象に向かう振る舞いの順序)

 粗暴な動作 → 心がこもっていないマニュアル通りの動作 → 心を込めた動作