ドリルダウンでは部門全体額に一番大きく影響を与えているカテゴリーを探します。

 チェーンストアには物事の重点を決めて、仕事を楽に効率的にする人とやろうと思ったことは何でもかんでも手を付け、何一つ成果を出させない人がいます。

 さて、あなたはどちら?

良いこと全てに取り組んで成果なし

 いろいろな取り組みをやって成果が出ないチェーンストアをよく見てきましたが、共通することがあります。それは良いと思えること、全てをやっているのです。CS活動、ISOの取り組み、リエンジニアリング、ビジュアルMD、ABC(Activity- Based Costing)など、経営革新につながると思う手法を全てやるのです。

 一つ一つのことは良いことなのですが、果たして、今やるべきことなのかは甚だ疑問であることが多いのです。

 やることは根拠を持って絞り込むべきです。重点管理とは『全体に対して大きく影響を与える要因に絞り込んで仕事をすること』。

一方、反対の概念として総花管理があります。総花管理は全ての要因に対して満遍なく、資源投入する仕事のやり方です。

 捨てる勇気を持ちましょう。それが、重点管理の技術を手に入れるスタートとなります。

ドリルダウンで重点管理

 チェーンストアで重点管理を行う手法に『ドリルダウン』があります。

ドリルダウンではまず、売上高目標達成に必要な挽回すべき売上高を定量的に表します。部門全体に大きく影響するカテゴリー探索にあたり、根拠を明確にしたいからです。

 その後、部門全体額に一番大きく影響を与えているカテゴリーを探します。決して一番細かい単品から探しません。単品では部門全体に大きい影響を与える問題を探せる可能性が低いからです。

 そして、そのカテゴリーの売上額をつくっていく上で問題になっていることを、自分の仕事の現場、顧客の現場、競合の売場で探します。

 例えば、農産部門で週当たり予算に対し、5万円不足していたとします。その5万円に対し、大きい影響を与えているカテゴリーを探します。

 すると、前週売上高と比べたら花カテゴリーが4万円不足していることが分かりました。

 では、なぜ、前週の売上高と4万円の差があるのか、原因を探します。その結果、今週から花の委託先の営業マンが変わり、花売場の作り方が乱雑になり、種などの関連販売も弱くなっていたことが分かりました。

 今度は農産部門全体で予算不足5万円に対し、芋カテゴリーが前年売上高と比較して5万円不足が影響していることが分かりました。今度は前年売場と比較します。すると、前年は焼き芋を品揃えしていたのですが、今年は品揃えしていないことに気が付きます。

〈まとめ〉重点に絞って仕事を進める

 このように、全体不足額、大きい影響与えるカテゴリー、そのカテゴリーの売上げ悪化原因を調査することがドリルダウンとなります。

 重点に絞って仕事を進めると、仕事に抜け漏れが出るのではないかと心配する人がいますが、大丈夫です。重点業務、重点カテゴリーは全ての仕事と必ず連動しています。全ての仕事に必ず影響を与えるのです。

 重点管理ができるようになると劇的に仕事が楽になりますよ。仕事のできる人は「忙しい」とは言いません。定時に帰り、楽しく仕事をしています。