元大関「霧島」の肖像。

「ちゃんこ料理店」にはさまざまあるが、元力士の四股名が店名となり、それにより店のストーリーがつくられ、強いブランドになることが多い(実際に元力士が経営者である場合もあるし、ライセンスとして関与している場合もある)。

 両国国技館のあるJR両国駅前にある8階建ての「ちゃんこ霧島」両国本店。この店は(株)霧島(本社/東京・両国、代表取締役/進藤晴彦)が経営しており、元大関・霧島(陸奥一博氏)は同社の取締役となっている。

 同社では、ちゃんこ料理店の他にジンギスカン料理店の「ジンギスカン霧島」を展開。「ちゃんこ霧島」は現在2店舗だが、「ジンギスカン霧島」はこの1月に新橋にオープンした店を加えると5店舗となる(この他、御徒町、新宿、浅草、五反田に店舗がある)。

 ちゃんこ料理店を展開する会社がジンギスカン料理店を展開することになったきっかけとその意味について、代表取締役の進藤晴彦氏に聞いた。

ちゃんことジンギスカンの会社が合体

 (株)霧島は元大関の霧島(陸奥一博氏)が現役当時の1995年11月に有限会社霧島を設立し、千葉・南行徳に「ちゃんこ霧島」を開業したことに始まる(設立当時は霧島氏と懇意にしていた中村晧一氏が社長を務めていた)。

 その後、1997年10月にJR両国駅前の8階建てビルの2フロアで営業するようになり、上階が空いたことからビルのオーナーからビルを丸ごと購入することを勧められ、2001年1月から現在の8フロア320人収容の店として営業するようになった。

「ちゃんこ霧島」の客単価は5000円。
「ちゃんこ霧島」両国本店。8階建てで320人を収容できる。

 現在、社長を務める進藤晴彦氏(古くから霧島と知己を得ていた)は別法人で焼き肉店を経営。2001年9月のBSE騒動で焼き肉店は不振になったことでジンギスカン料理店を始めて、3店舗を展開するようになっていた。

(株)霧島の代表取締役の進藤晴彦氏。

 一方、有限会社霧島では中村社長が体調不良で退任することになり、霧島より進藤氏に「ちゃんこ霧島の方も一緒に見てくれないか」と打診。(株)霧島を設立し、同社で「ちゃんこ霧島」と「ジンギスカン霧島」を経営することになった(2015年10月のこと。この時点で「ちゃんこ霧島」1店舗、「ジンギスカン霧島」は3店舗だった)。

 そして、2016年8月に「ジンギスカン霧島」五反田店、同年11月に「ちゃんこ霧島」の両国江戸NOREN店(両国)、2019年1月に「ジンギスカン霧島」新橋店をオープン。2018年度の同社の売上高は約10億円となり、2019年4月には「ジンギスカン霧島」水道橋店のオープンを控えている。

 ちなみに「ちゃんこ」とは鍋料理だけを示す言葉ではない。「ちゃんこ」とは「ちゃん」(父親)と「こ」(子供)が合わさった言葉で、父親と子供が一緒に食べる様子を示している。相撲部屋では親方と弟子が一緒に食事をするので「ちゃんこ」と呼ぶ。食事の内容は鍋に限らず、焼き肉、てんぷら、刺身も、そしてジンギスカンも「ちゃんこ」となる。またジンギスカン料理は霧島が好む料理ということから、(株)霧島としても事業として打ち出しやすい業種だった。

店内ではモニターで「霧島」の現役時代の名場面を放映している。