イラスト/永谷せん

ヒトの心は不思議がいっぱい。それを探るのが心理学。心理学は実践の科学です。実際に使えば理解も早いし応用も利くようになります。ご紹介する心理テクニックは現場で役立つことばかり。ぜひ使って販売力をUPさせましょう。

なぜ、万引きGメンは不届き者が分かる?

 相手の気持ちを理解し推測することを『デコーディング』(解読)というと、前回、ご紹介しました。

 その能力を持つ人はお客さまのハートをつかむのが得意。だから、営業成績も抜群なはず。あなたも、もの言わぬ相手の気持ちを理解するために、その人が発する細かい表情やしぐさ、つまりノンバーバル(非言語)サインをデコーディングしませんか?

  小売業界でこの能力を巧みに駆使している職業の1つが万引きGメンではないでしょうか。彼ら・彼女らは来店客のちょっとしたしぐさから、万引きを働こうとする不届き者を察知し、監視をして、万引きをしたところで現行犯として逮捕します。

  万引きGメンによると、万引き犯には次のような特徴があるそうです。

①来店時、周囲をキョロキョロ見回す傾向がある。

②目立たないようにという思いからか、腕を少ししか動かさない。

 そうした特徴を見逃さないからこそ、犯行を未然に防げるというわけです。

販売では「視線」「うなずき」「手や腕」に注目

 では、このデコーディング能力を販売に生かすために、お客さまのどんなしぐさに注目すればよいのでしょうか。

■視線お客さまと視線が合う、合わないは重要なポイント。目を素早く外すのは「放っておいて」のサインですから、お客さまの自由に任せましょう。

 もし、1度目より2度目に目が合ったときの方が視線を外すまでの時間が長く感じたとしたら、「サポートが欲しい」のサイン。さりげなく近寄って助け船を出しましょう。

■うなずき話の内容やリズムに合わせてうなずく場合は、お客さまがあなたに好感触を持ち、話の内容を受け入れている証拠。

 でも、ワンセンテンスに2度も3度もうなずく場合は、あなたに話を切り上げてほしい、面倒になったという意思表示なので、要注意。話題を切り替えるなどの対応をすべきです。

■手や腕セールス中のお客さまの手や腕にも注目してみましょう。腕がリラックスしていて、手を握らず広げている場合は、あなたの話に興味を持ち、耳を傾けている証拠。

 手がグーになっていたり、手を隠したり、腕をさすったりするしぐさ。また腕組みをしたり、バッグなどを胸に抱えるようにしているとしたら、これらは全て防御の姿勢。そうした場合は、いきなり商品の説明に入らず、世間話などをしてお客さまの心を和ませる必要があります。

逆にお客さまからされているかもしれませんよ!

 これらは注目すべきお客さまのノンバーバルサインのほんの数例でしかありません。何事も経験を積み重ねることが大切。デコーディングを趣味にするぐらいのつもりで、お客さまの一挙手一投足に注目してみてください。きっと能力がアップするはずです。

 そうそう、忘れてはならないことが1つ。

 前回、女性は男性よりデコーディング能力に長けていると書きました。

 ということは、あなたも特に女性のお客さまからデコーディングされている可能性が大きいということ。あなた自身もお客さまをリラックスさせるノンバーバルメッセージを発信する必要があるということです。お客さまと接するとき、肩に力が入り過ぎてはいないでしょうか。表情がこわばってはいないでしょうか。まずは、そこからチェックしてみませんか?