『ビジネスゾーン』という言葉はアメリカのトーナメントプロが言い始めたと言われています。このゾーンの動きを確立できれば、賞金で暮らしていけることから、こう名付けられたそうです。

 ゴルフの球筋はインパクトで決まりますが、インパクトは一瞬のことでコントロールが難しいもの。だったら、その前後の動きをコントロールしようという発想から生まれたのが、この言葉です。

 この「コントロール」、ビジネスにも「管理可能」と「管理不能」という概念があります。特定の部門ごとに管理可能と管理不能な要素があり、これらを分けて管理しないと問題が発生してしまうので、注意が必要です。

 例えば、荒利額の管理。荒利の1要素である値入れは商品部にとっては管理可能でも、店舗にとっては管理不能。これに対して、ロスは商品部にとっては管理不能ですが、店舗にとっては管理可能となります。

 つまり、商品部と店舗は荒利額貢献のために、それぞれの管理可能領域で管理行動を明確にする必要があるのです。

 今日はこのビジネスゾーンについて説明しようと思います。

アプローチの練習と混同しない!

 ビジネスゾーンは「クラブシャフトが地面に平行となる下半円の範囲」を言い、アメリカでは「ビジネスゾーン=ハーフスイング」の意味ともなっています。

 このビジネスゾーンは通常のスイングの一部プロセスと捉えるべきで、アプローチの練習と混同しないことが大切です(振り幅がアプローチと同じなので、どうしても混同してしまう)。

 アプローチの延長でビジネスゾーンを捉えてしまうと、「ライン出しの打ち方」となり、高等技術が必要になります(現在では藤田寛之プロ、古くはアーノルド・パーマーがした打ち方で、大変難しく、強い体幹の力が必要。アマチュアには不向きなので要注意です)。

『ビジネスゾーン』でのあるべき動き

 ビジネスゾーンでの動作を安定させる目的は「方向性と距離感の問題を起こりづらくすること」。

 ここでは分かりやすくするため、ビジネスゾーンを「インパクトの前バックスイング」「切り返し」「インパクト後」の3つに分けて考え、言葉で表現してみましょう(言葉で表現することは大事です。しっかりと整理できているか、自分で検証できるので、皆さんも自分の言葉で表現することをお勧めします)。

①バックスイング動作(始動からシャフトが右側で地面と平行になるまで)

 まず「両肩が飛球線に対して平行になるように立つ」「両足の親指で地面をつかむ」「腹筋に力を入れる」の3つをします。

 そして、左肩が顎の方向へ縦回転することで始動を開始。両腕の間に出来上がった三角形の形は維持します。コック(手首を親指側に曲げる動作)はするのではなく、切り返し時にコックが始まってしまうイメージ。そのため、手首の角度は維持。右膝は全く動かさず、ボールと胸の距離は一定に保ちます。

※(ここが重要)コックは「能動的にするのではなく、受動的にしてしまうもの」と捉えてください。ゴルフでは能動的に行動するとうまくいきません。いかに受動的に動くかが大切です。

 つまり、ここまでで動いているのは肩のみ。バックスイングでは「右膝、腹筋、左肩に意識があること」があるべき姿です。

②切り返し動作(右側平行からインパクトまで)

 シャフトが地面と平行になる直前から切り返しがスタート。

 まずは右腰を小さくスライドさせます。これをきっかけに腕は落ちようとし、クラブは逆に上がろうとする。そのために手首のコックが発生します(手首が固定されている棒に当たり、その反動で手首がコックしてしまう動き。これができるとシャフトは平行より少々上に上がっていく)。

 その後、右腰を回転させ、右腕を落としていき、インパクトを迎えるのですが、手首の角度は維持します。

 インパクトのときに肩が開かない感覚が大事です(肩は横回転すると開き、縦回転すると開きません)。

 ここまでが管理可能領域です。