寒波を伴う「冬将軍」が度々襲来。雪が強まり、寒さも厳しいところもあったが、全般的には降水量が少なく、平均気温は高めだった2019年1月。

 

 都内では19日連続(18年12月24日~19年1月11日)で雨が降らず、降水量は記録的な少なさ(雨や雪が降った日はわずか3日)。当然、空気はカラカラでインフルエンザが大流行し、1月20日までの1週間に医療機関を受診した人は約213万人(厚生労働省推計)で、学級閉鎖になった学校も多発、規模の小さな会社では職場閉鎖状態に陥るところも出たほど。「暖冬傾向・少雨」だった1月、家電専門店では加湿空気清浄機がよく売れたようだが、ファッション業界の営業成績はどうだったか?

*しまむら(既存店)売上高 99.9%、客数 100.3%、客単価 100.9%

 年末にかけて「しまむらグループ2200店舗感謝祭」によるレジ引き30%OFF、「歳末大特価セール」を打ち出した。年末以降に気温が下がったこともあり、冬物の販売が好調。

 初売り福袋は1万円でレディス8点セットを筆頭にメンズの12点セットが登場。5000円、3000円、2000円で展開した。新春のレディスセレモニースーツは9800円(4点セット)、スカート&パンツの両コーデができる7800円(3点セット)、5800円(3点セット)を中心に品揃え。ポリエステルシフォン素材のヒョウ柄スカート(税込1900円)や、デニムのシャツワンピース(税込2900円)などのトレンドアイテム、メンズではスパンコールで柄変化するキャラクターパーカーが店頭POPとの連動効果もあって売れた。X-JAPANの「YOSHIKI」とハローキティがコラボした「yoshikitty」のコラボ第2弾の寝具シリーズなど話題作りにも取り組んだ。

 昨年に比べて休日が2日多かったこともあり、売上高は全店ベースでは前年実績を上回ったが、既存店ベースでは前年割れ(前年実績を割り込んだ状態が9カ月連続となった)。商品が取り置き出来るアプリ「しまコレ」をリリースしたが、システムや商品供給オペレーションなど課題も多く拙速な印象は否めない。そもそも店頭に品揃えされている商品を、スマホで注文して店頭に取りに行くことにどのくらいの人が便利に感じるのだろうか、疑問も残る。

*ライトオン(既存店)売上高 103.6%客数 106.9%客単価 96.9%

 気温の低下もあって防寒アウターが好調に推移したが、年末年始商戦期間に客数を伸ばし切れず、販売は苦戦。年始商戦後はリーバイス、エドウィン2大NBジーンズの2本目半額などセール商品の販促で客数が伸長し、冬物商品が堅調に推移。休日が前年より2日多かったこともあり、既存店売上高は前年比をクリアした。

 レディスでは引き続きチャンピオンのスウエットが好調(税抜3900円)で、春らしいスモーキーパステルの色味で展開し、定着。リー、リーバイスといったジーンズブランドの他、フィラ、コンバースなどのブランドまで売れ筋スウエットのブランド化が進んでいる。トレンドデザインのモックネック+刺繍や、肩落ちショート丈(M着丈=58cm)も加えてトレーナーのラインアップを大幅増。メンズもレディス同様、チャンピオンを中心に2大ジーンズブランドのスウエットに鮮度を感じられているようで動きが良い。

 こうした知名度のあるブランドでは今、商品ラインアップ増により成功するケースが増えている。それは情報量の多い中、生活者がブランド力による後悔しない購入をしている証左ではないか。

アダストリア既存店)売上高 94.0%、客数 92.7%、客単価 101.5%

 月全体を通してセール商戦の勢いが弱く、 加えて今年は全ブランドで福袋の販売を実施しなかったことから、 既存店売上げは前年割れとなった。ブランド別ではジーナシス、ページボーイ、アンデミュウなどが好調。アイテム別ではアウター、厚手のニット類、ワンピース、マフラーなどが売上げの中心となった。

 基幹ブランド「グローバルワーク」の新年店頭は「ジェニックカラーニット」と、インスタ映えするカラーに特徴を持たせたブークレ素材のタートル、畦編みのVネックの2デザインで訴求。昨年は冬物在庫処分に時間を要し、春物へのシーズン切り替えが遅れたが、今年は主要ブランドでそれぞれコラボレーションから立ち上がっている。グローバルワークでは福岡の人気コーヒーショップ「NO COFFEE」、ニコアンドではバレンタインギフトも見据えた森永製菓の「DARS」チョコレート、スタジオクリップは3月16日にテーマパークOPENを控えたムーミンとのコラボレーションで集客、売上げアップを狙っていくようだ。

ユナイテッドアローズ(既存店*1)売上高 110.2%、客数 106.9%、客単価101.6%

 セール需要が盛り上がり、小売+ネット通販既存店売上高は前年同月から2桁増。大手セレクトショップの中でファッショントレンドに一番慎重に対応している品揃えが一般客層を広く取り込めている強さにもなっている。

 商品動向ではメンズ、ウィメンズとも冬物衣料(ニット、アウター等)、防寒小物(マフラー、グローブなど)の動きが目立つ。暖冬で重衣料販売に各社が苦戦する中でも「カナダグース」など10万円を超える高額ダウンジャケットが売れている。

 自社のオンラインストアに力を注いできた同社は、10月から物流業務も含めて自社主導に切り替え、自前でトレンドや需要の変化に適応できる体制づくりを本格化。2019年3月期第3四半期累計でネット通販の売上高は185億8900万円で、売上げ全体に占めるネット比率はまだ19.0%だが、前年同期比では9.1%増とリアル店舗実績(0.6%増)よりも高い伸び率を示す。現在の売上構成はゾゾタウンが約50%、自社オンライン約27%、楽天ブランドアベニュー約12%、アマゾンで約3%強だが、これが自社主導体制への移行でどう変えていくのか。これからの動きにも注目していきたい。

良品計画(既存店売上101.9%*2客数 106.8%客単価 97.0%

 衣服・雑貨では月を通してニット、パジャマや肌着の売上げが好調に推移。中旬以降はセール品のボトムスやアウター、防寒小物の売上げが上昇した。生活雑貨では引き続き好調な小物、雑貨の売上げに加え、価格訴求をした布団やベッド、リビング家具の売上げがプラスに転じ、前年の既存店売上実績を上回った。

 春商品の取り組みで注目したのが、レディスのボトムス強化策。4種のシルエット(スキニー、スリムストレート、ボーイフィット、ワイド)を写真入りで分かりやすく紹介している。先月も取り上げた「MUJI Labo」も好調のようで2017春夏シーズンに5年ぶりとなるリニューアルをきっかけに、20~30代の男性構成比が43%から65%と大幅にアップ、新規客の獲得にも貢献しているようだ。2006年の業務提携から始まったファミリーマートでの商品販売は1月28日に終了したものの、影響は軽微に留まると思われる。

ユニクロ(既存店)売上高 99.0%、客数 99.1%、客単価 99.9%

 前半は低気温で冬物が動いたが、気温が上昇した後半以降に春物の売れ行きが鈍かったことが響いた。好調だった18年12月に続き、中旬まではダウンやウールコート、ブロックテックのアウターなどが動き、21日以降は気温も上がり、ボトムでベーカーパンツなどの新商品やトップスでコットン・カシミアのニットも売れたが、全体に春物の実需が伸び悩んだようだ。

 2018年1月の既存店売上高は需要の先食いで前年比97.6%。2年連続の前年割れは、さすがのユニクロでも暖冬に足を引っ張られた格好。その実需が伸び悩んだ春物商品で特に注目したいのはレギンスタイツ(税別990円)、秋に売れたこの商品は品揃えも拡充させて取り組んでいる。マネキンにチュニック、ワンピ、スカートにレイヤードスタイルで訴求してレギンスパンツ(税別1990~2990円)と併せて春のボトムス強化に動いた。

 メンズはフレッシャーズを中心にファインクロススーパーノンアイロンシャツ(税別2990円)、感動パンツ(税別3990円)、ウルトラライトダウンのインナーベスト(税別3990円)あたりの動きに注目したい。インナーベストはネックデザインが浅Vと深Vで2way仕様となっているが、深V仕様にすると表面にしわができてしまい実用的とは言いにくく課題もある。シアサッカーと呼ばれる立体的な編み地のモックネックセーターは、春物商品の中でも年末から売れていた。