ドン・キホーテのマスコットキャラクター「ドンペン」

 総合ディスカウントストアのドン・キホーテで異彩を放つ、あの赤いキャップを被った「ドンペン」が、この2月にドンキホーテホールディングス(HD)から社名変更をしたパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)と共に環太平洋地域を制覇するかもしれない。

謎に包まれた「ドンペン」という存在

「ドンペン」は1998年に南極で生まれ、東京で育ったという異色の経歴を持ったキャラクターである。特徴はミッドナイトブルーの体にナイトキャップを被り、身長、体重、スリーサイズが全て98cm(kg)である。あの国民的キャラクターとスリーサイズが同じ部分は共通しているが、一回り小さい作りとなっている。

 趣味はドンキめぐりと夜のお散歩。まさにドン・キホーテのために生まれたキャラクターといっても過言ではない(店舗のPOPライターによって作られた)。

 このドンペンには「数体存在し、土地によって様相が異なる」という説が出ている。実際に国内外で「ごとうちドンペン」も存在しており、個人的には存在感が強過ぎる岐阜の白川郷のドンペンが好みである。海外でもカリフォルニアのグリズリーの「ドンペン」もいるようだ。その他、ドンキが推し進めているオリジナル電子マネーの「majica(マジカ)」の「ドンペン」バージョンまで存在している。

2月6日の決算説明会で「エポックイヤーを駆け抜ける」のテーマで話をした(株)パン・パシフィック・インターナショナルホールディングの大原孝治代表取締役社長兼CEO。

 その「majica(マジカ)」について、PPIHの大原社長は「IT、金融各社のさまざまな決済手段があまりにも増え過ぎている。当社では、各社クレジットカードと中国の銀聯カード、そして独自の『majica(マジカ)』に注力していく」と語った(これで「ドンペン」を目にする機会がさらに増えるかもしれない)。

好調な海外事業とユニーの業態変換で「ドンペン」の未来は?

 2019年6月期第2四半期決算説明会で、子会社化したユニーが運営する店舗を、2019年に約20店舗、5年以内に約100店舗を「MEGAドン・キホーテUNY」に業態変換していくと説明した大原社長。先行して業態変換した6店舗は2018年3月~2019年1月実績で、売上高が83%増、客数が58%増、荒利益高が59%増となり、今後5年以内に行う業態変換による営業利益の上積みを約200億円と試算している。

 海外事業も好調で、米国の既存事業では利益ベースで前年比27%増。海外の店舗数は41店舗(2019年1月末)。シンガポール3店舗に対し、アメリカは38店舗(ハワイ28店舗、カリフォルニア10店舗)。

 アメリカでは昨年10月、ロサンゼルス郊外に出店した「デリカ主体の新業態」(Tokyo Centralヨーバリンダ店)が好調で、この業態を中心に「米国内100店舗構想」を持つ。この西海岸は「好景気だが、リアル店舗の居抜き物件が増えており、出店の好機」と大原社長は見ている。

 そして、アセアンではシンガポールに続き、この2月、バンコクにタイ1号店を出店予定で「出店オファーをたくさんいただいている」と(大原社長)。アセアンでもさまざまな国で100店舗体制を築く考えだ。

 日本のみならず、環太平洋地域を制覇するぐらいの大きな気持ちで打って出るとの決意で社名変更したPPIHだが、これと一緒にドンペンも「世界のドンペン」として環太平洋制覇をするかと思いきや、その前途は多難なようだ。

下からのアングルのドンペン、「 安いでー」とアピールしている(MEGAドン・キホーテUNY東海通店で撮影)。

 そもそも「ドンペン」は、あくまでもドン・キホーテでのマスコットキャラクターで、海外ではTOKYO CENTRALやDON DON DONKIなどとドン・キホーテの冠を外して出店しているので、一緒に環太平洋進出とはならないかもしれないからだ。

「ドンペン」の今後だが、連結売上高5134億円(前期比10.9%増、2018年7月1日~18年12月31日の数値)と絶好調のPPIHとは異なり、もしかすると……。そう思うと、夜も眠れないくらい行く末が気になってしまう私です。