長く同じ仕事を続けていると、人は慣れによるマンネリを感じやすくなります。

 本来ならば、流通・小売業や接客サービス業は毎日違う人と接し、日々異なる商品を扱う変化のある仕事です。ですが、仕事に慣れてくると、良くも悪くも最初の頃の緊張感が抜け、何でもそつなくこなせるようになります。

 また、長時間働いている人では「生活パターンが職場と自宅の往復で終わる」となりがちです。そのため、毎日が単調で似たような内容に感じ、面白いことがない、もっと活躍してやりがいのある仕事をしたいと思っている人も中にはいるのではないでしょうか。

 現状を変える手段は、私は大きく分けて2つしかないと思っています。「新しいことをやる」、そして「今やっている仕事の精度を高める」です。

①新しいことをやる

 もし、今の仕事内容に満足していないなら「何か」を変えるしかありません。売上げが下げ止まっているのなら、今まで試していなかった新しいアプローチを試してみる、違うやり方に挑戦することです。

 もちろん、新しい試みが必ず成功するとは限りません。前例がないチャレンジは、失敗するかもしれません。

 でも、少なくとも現状を続けていった先には、大きな変化は生まれません。

 

 新しいことをするのが不安で抵抗があるのなら、まずは日常的に新しい情報に触れるのも効果的です。近所にできた新店にいち早く行ってみる、新しいメニューを選ぶなど、普段から新しいものに触れるようにすれば、新しいものへ挑戦する癖が付きます。

 いつも違う行動を取るように心掛けていれば、次第に挑戦することへの心理的ハードルが下がります。「やろうかな、どうしようかな」と迷っている時間を減らし、すぐに「取りあえずやってみよう!」と始めることができます。

 取り掛かりを早くすれば、それだけでもたくさんの手を打つことが可能になります。失敗してもリカバリーの時間が残っているので、やらないで迷って何もしない場合よりも経験や学びを得ることができます。

②今やっていることの精度を高める

 もう1つは、仕事自体の完成度を上げることです。例えば、いつも80点の完成度を目指している仕事で、85点を目指してみます。締切よりも少し前倒しでレポートを提出する、普段はやっていないところまで関心を配る、といった具合です。

 私たちの日常は、朝起きて身支度をし、仕事に行って食事を取り、帰宅してお風呂に入って眠る、とパターン化しています。でも、こうした何気ない日常でも、楽しみはいくらでも見付けられます。

 

 ボーっとせずに通勤電車の中の人の服装を観察したり、会話を聞いたりすれば、それだけでも市場調査になります。広告の書体や表現、色について記憶しておけば、自分たちがDMの内容やキャンペーンの企画を考える際に、表現の幅が広がります。どちらも、いつも無意識に見過ごしている景色を見つめ直すだけです。日常の解像度を意識的に上げていくのです。

 プロとアマチュアの差はたくさんありますが、1つには素人が気付かないようなほんの少しの差にまでこだわれることです。

 過去に、私は上司の観察力に驚いたことがあります。打ち合わせ中に仕事内容に関連するCMが話題に上ったのですが、上司はCMのセリフや場所などディテールまで完璧に記憶していました。私も全く同じCMを見ていたはずなのに、上司とは見方が違ったのです。

「時間があれば、ちょっと頑張ればやれるけど…」ということに、真剣に取り組んでみてください。そのほんの少しが積み重なっていけば、いつしか大きな差になります。