ZOZOSUITとPBの空振りに加えてZOZOARIGATOの強行による出店アパレルの離反が広がるZOZOだが、強気も限界で19年3月期業績見通しの大幅下方修正に追い込まれた。

大幅下方修正の暗転劇

 ZOZOは1月31日、19年3月期業績見通しを大幅下方修正し、併せてPB開発などの軌道修正も発表したが、状況の悪化を認めながらも、なお強気の姿勢も崩しておらず、抜本転換の決断にはまだ至っていない。

 19年3月期業績見通しの商品取扱高を3600億円から3270億円と9.2%、売上高を1470億円から1180億円と19.7%、営業利益を400億円から265億円と33.8%、純利益を280億円から178億円と36.4%、それぞれ下方修正。商品取扱高は前期比33.0%増から20.9%増へ、売上高は同49.3%増から19.9%増へ、営業利益は同22.4%増から18.9%減へという大幅なもので、商品取扱高と売上高は伸びに急ブレーキがかかり、利益は増益から減益へと暗転した。誰が見てもワーテルローかミッドウェイかという暗転劇だが、31日の下方修正発表はまだ大本営発表的強気が垣間見えた。

 

 下方修正に至った要因は、1)今期200億円を目論んでいたPB事業が第3四半期末時点で22億6000万円と11%強の進捗に留まって125億円の赤字を計上していること2)2代目ZOZOSUITも期待通りに機能せず売上拡大につながらなかったことの2点で、計画営業利益との135億円の乖離では収まらないと思われる。それを埋めるべく新規出店アパレルの手数料率をかさ上げ、拡販を焦ってZOZOARIGATOのような強硬策に走ったとすれば、墓穴を掘ったとの指摘を免れない。

ZOZO離れは広がるのか?

 昨年12月25日から強行したZOZOARIGATOによるブランドアパレルのZOZO離れは、今回の下方修正段階ではオンワードやミキハウスなどZOZO依存度が低く、百貨店売上比率の高い企業に限られており、前澤社長も『全商品の販売を見送ったのは1月31日時点で全1255ショップ中42ショップ、商品取扱高の1.1%に過ぎず影響は軽微』と発言している。

 会員制常時値引き販売のZOZOARIGATOは昨年末から唐突に始められたものでテナントアパレルとの事前調整もほとんどなく、強行したら何が起こるかきちんと検証された気配がない。ブランド価値にこだわったり、百貨店売上比率が高いアパレルの離反は想像がついたはずだが、社内で懸念する声が出なかったか(トップの思い込みに盾突く幹部や外部識者は排除されるのが一般的)、常時値引き販売による拡販効果に目がくらんだかのどちらかだろう。

 現段階ではまだ判断を迷っているアパレルも多く、大手アパレルでは世間で騒がれてようやく役員会の議題に上った段階(オンワードは明確な戦略行動に転じており、例外的に即断できた)だが、1)『百貨店売上げの比率が高い』2)『EC売上げのZOZO依存度が低い』3)『ZOZO出店が後手で手数料率が高い』4)『自社運営ECが軌道に乗ってコストが下がりZOZOの手数料率を下回る』、という4条件のうち2つ以上がそろう、あるいは先でそろうようになったアパレルは必ずZOZOから離脱すると見るべきだ。

 とはいえ、そんなアパレルはまだ少数だから表立っては1月31日時点の42ショップが倍まで広がるかどうかだが、ライトオンのようにZOZO依存度が高く、1要件しかそろわないでも撤退するケース、ベイクルーズのように他で定価販売している商品は非表示にするなど実質的な対抗措置は水面下で広がっているから、ジリジリとダメージが広がるのは否めない。撤退で抜けた分を新規の低価格ブランドや服飾ブランドで埋めていけば手数料率も高まるから当面は離脱によって業績が底割れするとは考え難いが、自社ECとC&Cに注力してZOZOから離れるアパレルは確実に増えていくのではないか。