工場の食品廃棄量、公表を義務付けしては?

 予約商材の販売数は、各コンビニの店舗巡回員にとって昇進や賞与人事考課に影響する場合が多く、発注指導に熱が入り過ぎてしまい、廃棄を生むケースも多々ある。そのため、時代に合わせて販売数に廃棄を加味した評価制度に変えていく必要がありそうだ。

 

 バイヤーからすると、今年の恵方巻き商戦は胃が痛くなるものだったろう。今回の農水省からの要請が1月11日と1カ月を切っての指導だったため、協力工場が既に原材料の発注をほとんど済ましていたと思われるためだ。他の商品に転用できない原材料は廃棄になる確率が高く、協力工場の収益が悪化してしまう。

 そうした中、今回の要請により、来年以降は当日販売分の製造数が読みやすくなった気がする。

 ただ、通常の商品もだが、仕入れる側の本部が商談的には圧倒的に優位で『欠品は許されない』との考えのため、協力工場側からの交渉難易度は高い。今後はフードロスに取り組む農水省は製造工場の食品廃棄量の公表を義務化し規制を設けるなどして、変えられないであろう取引慣行を指導するだけから、今後はさらに一歩踏み込んだ対応が必要となっていくだろう。

恵方巻きの品揃えを絞り込む時期にきている!

 恵方巻きはここ数年 コンビニ各社がお客のニーズに合わせて販売ポテンシャルを上げるため、品揃え数を増やしていっている。品揃えの増加は発注予測がしづらくなるため、フードロスを考えると、恵方巻きの品揃え数を絞り込む時期にきているかもしれない。

 同時に近い将来には恵方巻きに限らず、店舗の発注数や製造工場の生産数にもAI化が進み、過剰な発注が抑制される仕組みになることに期待している。

 店頭での廃棄削減は、新しい商品を求める傾向が圧倒的に強い日本人の特性を考えると、(店舗の作業負荷を加味する必要があるが)『カテゴリーによっては2つの賞味期限の異なる商品を店頭に並べない』などの規制も必要になってくるのかもしれない。

社会課題解決に適合したチェーンしか生き残れない

 日本のコンビニ創業の祖である鈴木敏文会長の「機会損失の撲滅」という考えがベースとなり、平成の時代にコンビニが小売業のトップに昇り詰めた側面は大きいだろう。

 だが、時代も変わり、社会に優しいコンビニとなるべく、フードロスにも取り組んでいく時代となってきている。変化対応業のコンビニも、これから社会課題解決に適合するチェーンしか生き残っていけないのではないのだろうか。

 節分が、鬼のお面をつけたお父さんに豆まきをする光景から、恵方に向かって恵方巻きを食べる行事に変わりつつあるのは、時代の変化としてはやむを得ないが、昭和生まれの筆者としては寂しくもある。