相手が喜ぶことは何?

 お土産物店の店頭のガラススクリーンに、「観光案内」と書かれたPOPがあります。POPを書くときに必ず、「これはお客さまが喜ぶことかな?」と考える癖を付けてください。その癖さえ付けられたら、ただの「観光案内」なんてPOPは書けないはずです。

 だって、イマドキの観光客は既に『じゃらん』や『るるぶ』を見て来ています。インスタグラムやBlogやFacebookなどで大量の情報を入手済みで、行き先の詳細を既に分かっていることが多いのです。そんなお客さまに対して「観光案内」とキレイに書いても、ガンバって伝えても、「不要です」で終了です。

「あなたはだ~れ?」

 では、何を書いてあげるとよいのでしょうか。POPを書くその瞬間、10秒でいいので立ち止まり、自分に問い掛けてみてください。

「これを読むのは誰なんだろうと」。いつもすぐにペンを持って書き始める人も、ぐっと思いとどまり、ちょっと目をつむって読む人の姿を想像します。

「あなたはだ~れ?何を思ってるの?何がほしいの?知りたいの?今から書こうとしていることって、あなたは喜ぶのでしょうか?」と。遊びに来ていて、たまたま目の前を歩いている観光客を想像できれば、「観光案内」だけで目をキラキラさせる姿なんて想像できないはずです。

 そんなイマドキの人に何を教えてあげれば喜ぶでしょう。

 想像するのが難しい場合、過去に教えてあげて喜ばれたことを思い出すとよいでしょう。あせらず相手をアリアリと想像できるようになると、その具体的な中身に喜ぶと分かるのです。例えば、「地球が丸いと確認できる絶景の日本海を紹介します。車で10分ですよ。」とか「カップルにぴったり。東郷湖の美しい夕日。地元の人しか知らない穴場をご紹介しましょう。」など。こうした具体的な内容が伝わると、お客さまは「わ、それいいね。教えて、教えて!」と喜んでくれるはずです。その姿が目に浮かべばしめたもの。そのまま書けばよいのですから。

 

慣れで書かない

 私たちはPOPを書くとき、つい慣れで書いてしまいやすいのです。しかし、漫然と書いていてはだめです。立ち止まり、自分に問い掛け、そのPOPを見るお客さまを想像しましょう。

 そのお客さまがPOPを読んでニコニコするでしょうか? 「すてき!」「うれしいわ」と喜ぶでしょうか?

 喜ぶ顔をアリアリと想像できるPOPが正しいPOPなのです。お客さまが喜ぶ姿を想像しながらPOPを書くとき、上手下手は関係なく、その思いは現れるものです。そうしたPOPは間違いなく、温かく優しく親近感があり、お客さまの心に届きます。たかがPOP、されどPOP。1枚のPOPに店のお客さまに対する考え方や思いが現れます。