イラスト/永谷せん

ヒトの心は不思議がいっぱい。それを探るのが心理学。心理学は実践の科学です。実際に使えば理解も早いし応用も利くようになります。ご紹介する心理テクニックは現場で役立つことばかり。ぜひ使って販売力をUPさせましょう。

「自分にテレパシーみたいな超能力があって、お客さまの気持ちをサクサクっと読み取れたら、どんなにセールスも楽だろう」

 販売業務に携わる方なら、どなたでも思うことでしょうか。

 実際、有能な販売員であればあるほど、まるでテレパシー能力があるかのように、お客さまの気持ちを理解し、お客さまの望み通りの商品を提供できます。なぜ、そんなことが可能なのでしょう。

それは「デコーディング」能力に長けているから

 相手の気持ちを理解し、推測することを、心理学では『デコーディング』といいます。

「解読」という意味ですが、有能な販売員はその能力に長けていると思われるのです。

 一般的に女性は男性よりこのデコーディング能力が高いといわれています。

 人間のコミュニケーションの方法には、「バーバル」(言語)と「ノンバーバル」(非言語)の2つがあります。表情や動作など言葉を使わないで自分の気持ちや感情を伝える方法をノンバーバル・コミュニケーションというのです。

 女性は、ちょっとした目の動きや、体の揺すり方、手足の動きなどを瞬間的に感じ取り、相手の心の内を読み取ってしまう能力に長けています。その点では男性はかないません。

この能力で男性が女性にかなわないワケ

 なぜでしょう。その理由の1つは、太古の昔から出産・育児を女性が一手に引き受けてきたからだと考えられています。

  赤ちゃんは言葉を発することができません。子供や大人のようにバーバル(言語)コミュニケーションができないのです。お母さんとしては、わが子の表情やしぐさを頼りに必死にコミュニケーションをとるしか方法はありません。それ故に、読み取る能力が発達したと考えられているのです。

 男性が女性から「ンもう、気がきかないんだからぁ」と文句を言われてしまうのは、まさに育児を手伝ってこなかったという証しなのかもしれませんね。

 ただこの能力、女性なら誰でも持っているとは限りません。やはり個人差があります。

 女性でも、自分以上に他人に関心があり、相手を思いやれる人ほど高く、逆に他人より自分自身に関心があり、自分が他人からどう見られているかばかりが気になる人は低い傾向があります。さて、あなたはどちらだと思いますか?

正直者「足」の向きに注目しましょう

  どちらにしても、相手のノンバーバル(非言語)行動をうまくデコーディングするには、その手掛かりである細かいしぐさやサインに気づく必要があります。

  その重要な手掛かりの1つが足。普通は顔に注目しがちですが、顔の表情は意識すれば、どのようにも作ることができます。

  ところが、足はそうはいきません。足まで気が回らないのです。足はウソのつけない正直者というわけです。

  ですから、デコーディング能力を高めたいと思うなら、まず足に注目しましょう。

足が出口の方を向いていたら……

 人は興味を引かれる対象へは自然と足が向きます。片足だけが向く人もいれば、一歩前へ踏み出す人もいます。それは対象と距離を縮めたいという気持ちの現れ。

 逆に興味がない場合は、体はそちらを向いていても、足は別の方向を向いています。もし、出口の方を向いていたら、さっさと立ち去りたいというサインかも。

 そのようなサインを見逃さないのが有能な販売員の必要条件といえます。次回は、そうしたサインには他にどんなものがあるか、ご紹介していこうと思っています。