異業種からESL市場に参入するフォーバル

 新世代ESLのポテンシャルにいち早く着目し、2018年、異業種からESL市場に参入した企業がある。経営コンサルティング企業であるフォーバルだ。人手不足が深刻な小売企業の課題解決をITを通してサポートしたいと考えた同社は昨年、アジア圏でESLの圧倒的シェアを誇るグローバル企業、LGイノテックとパートナーシップを結び、日本でのLG製ESLの展開を開始した。

 
フォーバル IoTディビジョンヘッド 宮川義弘氏

 フォーバルIoTディビジョンのディビジョンヘッド、宮川義弘氏はLGイノテックとパートナーシップを結ぶに至った経緯をこう語る。

 「ESL市場への参入に当たって、日本はもちろん世界中のESLの導入状況や、メーカーごとのESLの特徴を調べました。ESLの導入には、過去の課題からも明らかなように、通信(電波状態)がキーになりますが、LGグループは元々通信関連を得意とするため、確かな技術がある。また、グループ内でハード、ソフトのすべてに対応できるため、ユーザー企業の要望に合わせてカスタマイズが可能です。自信を持って日本の小売企業に提案できる製品だと判断しました」(宮川氏)。

 フォーバルは、日本で展開するESLソリューション名を、「KAKUMEI」と名付けた。ESLを通じて小売の現場を大きく変え、売場にイノベーションを起こそうという期待を込めたものだ。実は世界的に見ても、ESLを店舗イノベーションの起点にしようと考える企業は多い。 

 

CX向上を実現する新世代ESL

 LGイノテック ESL総責任者の(カン)(カプ)(ソク)氏はこう説明する。「世界的に見ても、10年ほど前の各社がESLを導入する目的は、価格整合性と費用削減が目的の場合がほとんどでした。しかし近年では、リアル店舗とECサイトとの価格連携などのEC対応、競合社と比較して迅速な価格変更を行うダイナミック・プライシング、自動会計や自動クーポン発行などと連携させるCX(顧客体験)の向上などを目的に、ESLを採用する企業が増えています」。

 LGイノテックが世界10ヵ国、上位50位の小売業のCEO、CIO、COOなどにESL導入についてインタビューを実施した調査「Electronic Shelf Labeling2015」を元に、各社のESL導入目的の変化を示したのが図表①だ。

 

(  カン)氏は、日本の小売業の多くは、ESL導入効果をSTEP2までの内容でしかとらえていないと言う。しかし、先進企業では、競争環境の変化に備え、店舗を革新していくインフラとしてESLを導入するケースが増えている。つまり、STEP3以降の取り組みだ。KAKUMEIは、まさにその名の通り、STEP3以降、ECサイト対応、ダイナミック・プライシング、CX向上を実現するテクノロジーを搭載した新世代のESLだと、宮川氏は自信を見せる。