「人の印象の専門家」の吉武利恵です。

 平成最後のお正月に和食を召し上がりましたか?

 お正月は普段よりも、和食の割合や頻度が多かったのではないでしょうか。

「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されてから5年がたちましたね。ここで、ユネスコ無形文化遺産に登録された和食の定義をおさらいしておくと、それは「和食;日本人の伝統的な食文化」

 そして、その特徴は4つあります。

(1)新鮮で多様な食材とその持ち味の尊重

(2)栄養バランスに優れた健康的な食生活

(3)自然の美しさや季節の移ろいを表現した盛り付け

(4)正月行事などの年中行事との関わり

出典:農林水産省ホームページより

 和食は、見て美しく、食べておいしい、さらに健康に良く、無病息災を願う日本のさまざまな行事にも深くつながっています。

 どんなにおいしく美しい料理であっても、食べるのは人。その人の食べ方という振る舞いにより、その場の空気を良くすることも、悪くすることもできてしまいます。

 和食のマナーは、日本人としての教養の1つではないでしょうか。

 美しい振る舞いと合理的な動作は、男女共に品を与え、女性は育ちの良い印象を、男性は教養のある印象を与えます。

 なぜ、美しい振る舞いが必要かというと、それは、他人を不快な気持ちにさせない気遣いです。

 食事の場面では相手の心が開きやすいという良い効果があります。その大切なコミュニケーションの場面で、たった1つの動作で、その場の雰囲気を壊してしまわないために、和食の基本の動作を、大人の教養として身につけていただきたいです。

箸置きが食べ物で汚れないことも大切

 和食の中でも「箸の扱い」は基本中の基本です。新年号という新しい時代に突入する本年、普段の何気ない動作をもう一度見直すために、「箸」に関する所作やマナーを取り上げてまいります。

正しい箸の持ち方

【撮影】本多佳子

 正しい箸使いのメリットは幾つかあります。

 正しい箸使いだと、箸の先端で物をはさむ作業が楽に行えます。逆に、箸の持ち方が悪いとうまく「はさむ」「運ぶ」ことができません。フォークのように箸を食べ物に突き刺す行為は和食ではマナー違反です。

 そして、正しい箸の持ち方は、きちんと躾けられた育ちの良い印象を与えます。

箸の扱い

 

 箸置きが食べ物で汚れないように気遣うことも周りの方への配慮です。

 懐石料理では、お膳の端が箸置きの役目を果たします。

 一部の日本料理店では、提供される料理は一口サイズの気遣いがありますが、一口サイズでない場合は、箸で一口サイズに切り分けてから口に運ぶと上品な印象になります。

基本の箸の持ち上げ方

 

 食事中に箸の上げ下ろしは何度も行う動作です。流れる動作で行えると美しい振る舞いになります。

 お茶碗や器を持っているときはどうする?

(応用)器を持ちながらの箸の持ち上げ方

 

 お茶碗や器を片手に持った状態のときは、箸も片手で持ち上げることになりがちです。

 良く見掛けるのは、片手で箸をつまみ、箸の先端をテーブルに押し付けながら、そこを支点に箸を持ち上げること。箸の先端がテーブルに接するので、その行為を見て不潔に感じる方がいるかもしれません。