AiFi社ナノストア駅構内店舗の予想図 [出所]AiFi社

 全米小売業協会の年次総会が1月13日~15日までニューヨークで開催された。セッションには過去最多の3万7000人以上が参加し、同時開催のエキスポも賑わいを見せた今年の講演主要テーマは(1)デジタル&フィジカルの融合(2)AI活用(3)女性やマイノリティの人材活用

 デジタル&フィジカルはオムニチャネルの言い換えのようにも見えるが、『販路という発想を捨て、ヴァーチャルとリアルの両世界を自由に行き来しながらブランドを知り、楽しみ、購入するプラットフォーム』という意味を含むようで、これに関連して、企業とブランドのファンである顧客による『ブランドコミュニティの構築』という言葉が多くのセッションで聞かれた。

 シリーズ「NRF2019年次総会レポート」では3日間75以上のセッションの中から、注目すべき最新動向を数回に分けて報告していく。

NRF2日目講演より、左からリコード誌編集カラ・スウィッシャー氏、連邦準備制度理事会元議長ジャネットL.イエレン氏、CNBC局シニア経済レポーター、スティーブ・リースマン氏 [出所]筆者撮影

次々と生まれる利便性を追求した最新決済テクノロジー

 エキスポで毎年注目されている「イノベーションラボ」コーナーに出展した52社のうち、レジレス、セルフレジ技術を開発した5社がセッションに登壇した。以下に紹介する2社のレジレス店舗は、いずれもアマゾンゴーと同じセンサー、コンピュータヴィジョン、ディープラーニングを使用しており、入店客の動作も①2次元コードをかざして入店②店内センサーがお客と商品の動きを追跡し③商品や2次元コードなどをスキャンせずにそのまま退店という流れになっている。

AiFi社「ナノストア」:空白市場を狙う無人レジレスコンテナ店舗

 ナノストアは24時間営業、無人レジレスの4.5坪のコンテナ店舗だ(画像はタイトル部分)。店舗入り口でスマートフォンで2次元コードをかざすとドアが自動開閉して入店できる。コンテナはデザインや什器ユニットなどのカスタマイズが可能になっている。

 AiFi社は小売業態を商圏の広さと日商で分析し、商圏150メートル、日商約500ドルの自動販売機と、商圏3~5キロ、日商1万ドル以下のコンビニエンスストアの間に存在する空白の市場に注目。空港、駅構内、駐車場、大型スーパーマーケットのサテライトストアとして24時間営業することで、顧客の利便性だけでなく、新たな事業機会を獲得も狙っている。

 既に東欧に5400店以上のフランチャイズチェーンを経営するザブカへの導入が決定し、カルフールでの導入も近く発表する予定だ。

Zippin社:既存の店舗什器を使って無人レジレス店舗ができる

 Zippin社は昨年8月、サンフランシスコに無人レジレスのパイロット店舗を出店した。同社の無人レジレス店舗の特徴は、既存の店舗什器をそのまま活用できること。センサー付きのユニット式棚を什器に乗せて回線をつなげるだけでレジレス店舗となる。オプションとして、このシステムをインストール済みのコンテナ型ユニットもあり、冷蔵什器にも入るので、空港、ショッピングモール、オフィスビルなどでの無人コンビニに最適だ。

Zippin店舗内のセンサー画像 [出所]Zippin社

 このシステムは人件費の削減、リアルタイムな在庫情報確認や予測、盗難の削減などにより利益を3倍まで高めることが可能。コストはカメラ、センサー、配線およびインストレーションで1スクエアフィート当たり25~30ドル程度(約1坪当たり712~1067ドル)。加えて、サービスとしてのソフトウェア費用を差し引いた後の売上高の5~10%の使用料が掛かるが、およそ6カ月~12カ月で投資回収が可能。交通量の多い立地ならもっと早い回収もできる。

 昨年8月にサンフランシスコに出店以来、問い合わせが増え、現在大手4社との商談中で間もなく発表の見込みだ。

さらに詳しく知りたい方はhttp://aifi.io/ (AiFi社) https://www.getzippin.com/(Zippin社)