ハイスキルなグローバル人材紹介会社のロバート・ウォルターズ・ジャパンは、1月15日、日本国内の産業・職種別に採用動向と給与水準をまとめた「給与調査2019」を発刊した。転職時の給与水準は前職比で10~19%増(ロバート・ウォルターズの2018年採用実績上の中央値)と全体を通じて非常に高い水準であることが分かった。

デジタルとテクノロジーを持ち合わせた人材が人気の一方で……

 2018年の国内採用トレンドは、あらゆる産業でデータ利活用やAI開発や導入、クラウドなどインフラに関する求人が急増した年であった。特にデジタルとテクノロジーのスキルを持ち合わせたグローバルな人材の需要は今年も増加傾向にある。

 これからは、自動化に関わる技術の開発・導入・運用を担う仕事が多く創出されていくこともあり、データ・情報をもとに戦略を編み出すなどの、専門知識や経験が鍵を握る仕事の人材需要が従来以上に高まってくる。

 また、多くの企業が事業の競争力を強化しているのと同時にワークライフバランスを重視して、オートメーションの採用による仕事の効率化を図っている。その中で、RPA(ロボットによる業務自動化)といった最先端の技術を駆使するロボットの採用を始めた企業や大手金融機関などでは、一般事務職の席数を段階的に減らす動きも見られ始めた。

小売業の動向と全体需要は?

 日本の小売ビジネスを見てみると、ラグビーワールドカップや東京オリンピックに向けてのインバウンド需要が追い風になる。

 多くのホテル含む統合型リゾート施設ではバイリンガルの販売員およびホスピタリティスタッフの大規模な採用が不可欠で、この先の人材獲得競争は激化していくと考えられる。

 売上げが好調だったコンビニ、薬局、ドラッグストア等の企業はセールス、トレードマーケティング、ショッパーマーケティングの採用が増えた。このような企業の多くは、広報やマーケティング人材を採用する際にデジタルメディアを使った知識とテクニックを必須としている。

 このようなデジタル領域では、既存企業が自身のデジタルビジネスを拡大するだけではなく、多くの新規参入企業により需要が高まっているため、EコマースとCRM(顧客管理システム)の専門家の採用も増加している。去年はシニアレベルのデジタルマーケターの採用が多く見受けられたが、今年もその傾向は続くとみられる。

 全体としては転職時の基本給与が10~19%上がる傾向だったが、特に需要が高いAI、データ活用のハイスキル人材であれば基本給与の上昇幅が20-29%増まで至っている。

 グローバル化を追い風に高まり続ける国内のグローバル人材も、需要に対して供給数が圧倒的に足りないため、今後も売り手優位になることが予想される。