最優秀賞に選ばれたSKCアウトレットヒロシマ店・厚井さんの実演。

 ショッピングセンター、専門店チェーンが行う接客ロールプレイングコンテスト。従業員の接客技術、モチベーション向上を目的に行われることが多いものだが、そこでは身だしなみや会話技術の巧拙がクローズアップされがちだ。

 しかし、オンライン時代、リアル店舗の従業員に求められる役割と技術が変わりつつある。それはロープレの位置づけにも映し出されている。

 1月10日、イオングループのシューズ専門店チェーン・ジーフットが接客ロールプレイングコンテストを行った。全国約900店舗が参加、各エリアで予備選考会を行い、東京での全国大会で最優秀者を選考するもの。7回目となる今回は北海道、東北、南・北関東から九州まで全国8地区から選ばれた22人が最終選考に臨んだ。

顧客のニーズを丁寧に聴き取り、提案、納得してもらう説得力

 今回のテーマは「一人ひとりのお客さまの心に寄り添う接客」。

 審査では、第一印象を整え、接客、商品知識の説明にとどまらず、顧客の要望を引き出し、ふさわしい商品の提案、丁寧なフィッティング、クロージングまでのプロセスを見る。審査員には堀江泰文社長、三津井洋常務取締役をはじめ、同社役員、さらに一般審査員として商品部長、本社スタッフらを含む計24人があたった。

 競技は人材開発部のスタッフが扮するサラリーマン風の若い男性客、母娘の親子連れ、シニア男性、OLの女性といったあらかじめ設定されたさまざまな属性から無作為に2組が訪店する設定。競技者はアプローチ顧客の選定から始まり、来店の目的、欲しい靴の用途、対象商品の推奨、購買決定までのコミュニケーションとアクションを9分の中で行った。

 時間を超過した競技者も見られたが、お客のニーズを引き出し、具現化する過程でのコミュニケーションには、日頃の訓練と実践の成果が見られた。また各競技者が終わるごとに一般審査員の部長らがフィードバックコメントを行い、良かった点、改善点などのコメントもされるなど、それぞれが自店はもちろん、他店でも優良事例として取り入れられることを意識した進行となっていた。

お客に寄り添う視点が欠かせなくなっている!

 最優秀者にはSKCアウトレットヒロシマ店の厚井沙也香さんが選ばれた。SKECHERSを主力とする同業態の店長を務める厚井さんは、お客さまとの会話の中で、着用シーンとシチュエーションを上手に聞き取り、要望に合った商品提案と機能説明を的確に行い、さらに2足目、関連商品の購買に結び付ける説得力ある接客が評価された。

 総評では堀江社長は「商人の役割はお客さまに幸せや豊かな生活を提供すること。今日の実演にはそのことが実感できた。全ての店で実感、実現できるようになればナンバーワンになれる」とした。

 ネット通販に代表されるオンラインショッピングの台頭とともに、リアル店舗という“オフライン”販売の価値が再定義されようとしている。

 特に専門店の場合は同業他社、またネットとの比較購買もされやすいだけに従来のように商品知識とお薦め販売のスキルだけではなく、今回、ジーフットが課題に挙げた“お客に寄り添う(同社の場合、靴を通じて顧客が得られる満足をイメージする)”という視点が欠かせなくなっている。