コース中央を練り歩く大会スポンサー企業のPR嬢たち

 アモイ(厦門)は福建省沿岸南部に位置する温暖なリゾート地。対岸の台湾本島や中国国内から多くの観光客を集め、成田からも直行便が飛んでいる。1月6日、中国四大マラソンの1つ、アモイ国際マラソンに参加した。上海在住の知人から「マラソンといえばアモイの大会が人気ですよ、コースから見る景色がとても美しいと評判です」と教えられていた。

 中国は今、空前のマラソンブームである。市場が拡大する中国マラソン事情も合わせてリポートする。

大規模大会は7年間で50倍に激増

マップ左の「中山路」が繁華街、対岸のコロンス島は観光地

 中国陸上競技協会によると、マラソン人口(トレイルランニング含む)は、2016年の280万人から、17年は78%増の498万人に達した(中国田径协会官方网站18-01-25より)。また、17年には全国で1102の大規模大会が開催され、7年間で50倍に増えた(同上)。そして、全国マラソン大会の数は20年には1900を超え、参加者数は1000万人以上、マラソンスポーツ産業の規模は1200億元(1兆9200億円)に到達すると中国陸上競技協会は予測している(同上)。

 アモイ国際マラソンはフル42キロに2万8208人が出走。毎年、エチオピアやケニアらアフリカ勢の招待選手が先頭集団を形成するハイレベルの展開となる。その一方で、制限時間が6時間15分と緩く、初心者や年配者にも門戸を広げている。

 スタート&ゴールは市内中心街(中山路)から15キロほど離れた「国際展示場」の広大な敷地。バスを使った大量輸送が可能な立地である。東京でいえば「東京ビッグサイト」のような場所。

人が集まる場所はテロの危険と隣り合わせ。SWATが厳重に警備する
マラソン大会では珍しい鏡付きの洗面所

 当日、筆者はホテルの部屋で食事を済ませ、6時半に歩いて会場入り。天候は曇り、気温15~16℃、一般のランナーには程よい気象条件である。特殊部隊(SWAT)が警戒警備をする中で荷物を検査してゲートを通り、会場内へ。大量に設置された仮設トイレの前を過ぎると「ASK ME」のプラカードを持った案内人が多数、続いて荷物の預り所、既定のスタート地点へと導線を進む。

もはや迷うことはないと思うのだが英語対応もする案内人

 感心するのは、テロ対策など安全上の理由もあるだろうが、大会が初めてでも、見取り図がノーチェックでも、(欧米人など)文字が読めなくても、絶対に迷わない導線が設計されていること。前々回の上海も今回のアモイも中国の大会は、その辺にこだわる。

 入場してから、ずっと気になっていたのが大音量で鳴り響く応援歌。

「馬拉松(マラソン)♫、馬拉松♫~」と合唱団が連呼するストレートな曲調。奨励とか鼓舞とか、そんな意図があるのだろうか。

ペーサーと一緒に走れば予定時間に確実にゴールできる

 スタートは早いランナー順から7時00分、15分、30分の3段階方式。アフリカ勢は7時00分の最前列、私は30分遅れの最後列からのスタート。6時間15分の風船を付けたペーサーが横に見えた。この人たちに抜かれたら、その後ろに「収容バス」が待っている。

 時計を見るとスタート時間を過ぎている。最後列には号砲が届かない。前に詰めていき5分後にスタートラインを通過した。

ほぼ最後尾からのスタート