厚生労働省のデータによれば、平成26年時点で専業主婦世帯は687万世帯、1114万世帯が共働き世帯と発表されています。数値は昭和55年時点とほぼ逆転、女性の社会進出や雇用形態の変化、少子高齢化など複合的な要因で、共働き世帯の割合は今後も増加していくと推察されます。

 この連載では実際に共働きしている家族を料理・買物・生活という切り口で取り上げ、どんな日常を送っているのかショートエピソード形式で毎週お届けします。

第26話 家庭に関心を持ってほしいと願う妻・愛梨の目線

 

「こんなこと言いたくないけど……言いたくないけど、オレの方が稼いでいるんだ」

 夫の方が稼いでいる、そんなことは分かっている。出張や残業が自由にできて、いつでも育児を代わってもらえる彼と私では、そもそも状況が違い過ぎる。

 とはいえ、私が時間的制約がなくなれば夫の浩二と同じだけ稼げるかというと、正直いって自信はない。

 医学部受験の点数でさえ操作されている社会だから、女性は見えないハンデを常に背負っている気がする。会社でも、責任あるポストに付いている人は圧倒的に男性が多い。

 もちろん、個人の能力があれば関係ないのだろうけど、特別な専門職でもなく日本で働く私にはなかなか厳しいように見える。

 でも少なくとも、制約がなければ、もっと仕事に時間を割けるのだから収入が増えることは間違いないだろう。

 現に独身時代や子供を妊娠する前は、そうだったのだから。

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 私は家事育児の時間的負担と、仕事にたびたび穴を開ける精神的ストレスを考えて、正社員という仕事を思い切って辞めた。

 今、派遣社員である私と、役職付き正社員の浩二。責任の少ない私が家事育児をする時間が長くなるのは、ある意味、当然のことだろう。

 私は浩二に、「完全なる家事育児の平等」は求めていない。ただ、関心を持っていてほしい。

 次の予防接種がいつかなとか、熱が出たら病院にはどのタイミングで連れていこうかなとか、親として一緒に考えたい。

 実際に病院に行くために仕事を休めなくたって、心を配ることならできる。時間が取れないなら、気にかけているだけでも立派な育児だと思うのだ。

 何よりもし気持ちが家族に向いているのなら、行動だって変わってくるはずなのだ。次の誕生日に買うおもちゃは何にしようかって相談することとか、看病できなくても仕事帰りに家族の分の夕食を買ってくることだって、立派な「親の仕事」だ。

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 子供を昼寝させながら考える。

 ちょうどいい家事・育児の分担方法や働き方なんて、誰にも当てはまる黄金の方程式はない。

 各家庭の状況に合わせて、きっと作っていくものなんだ。だからせめて、心だけは、家族の一員であるという自覚を持ってほしい。

 私も、会社での彼の立場や負担を理解できていない部分もあるだろう。「お互いさま」の気持ちを持ち続けることは、とても難しい。

 

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第27話 家事メイン担当の夫・太志の目線

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