〈人手不足〉テクノロジーでようやく解決へ

『人手不足の問題も顕在化している。今年も景気は底堅く推移すると考えられ、人手不足の解消は見込めず、「人手不足」はさらに深刻化するだろう。……好転する確率はゼロ%で、人手不足対策が恒常的な経営課題になってくる』

 これは言わずもがなで、ますます省人化、省力化の動きは加速する。店舗での精算では、セミセルフから完全セルフレジへの移行、キャッスレスレジの導入も増えていくだろう。そして、セブン&アイ・ホールディングス(HD)が今春、スマホ決済サービスをスタートさせる予定で、アライアンスも含めて追随する動きも出てこよう。

『今、ここで起こっていることはコト消費への対応である。ここ数年、特にショッピングセンターではモノからコトへのシフトが叫ばれており、取り組みを強化。今年もその傾向が続くだろう』

〈コト消費〉これからは「いかに収益に結び付けるか」の段階に

 昨年、コト消費の取り組みで象徴的だったのが、イオンモールの「ジ アウトレット広島」。シネマ、アミューズメント施設はもとより、スケートリンク、ボウリング場、トランポリンも導入、広大なフードゾーンも設け、時間消費に対応、ワークショップを備えたクラフトショップなど地元・瀬戸内の特色あるテナントも誘致した。コト消費的側面を持つアウトレットモールに、さらに時間消費のコンテンツを盛って、対応した異例の施設だ。

 今年は、「ららぽーと沼津」「渋谷パルコ」といった大型商業施設が開業予定で、特に沖縄最大級の「サンエー浦添西海岸 PARCO CITY」でのコト消費対応が注目される。今までコト消費は取り組むべき課題だったが、これからはコト消費を取り込んでいかに収益に結び付けていくか、“収穫する時期”を迎えており、正念場となる。

〈ネットとリアルの融合〉労働集約型の小売業の姿を変えるか

『また、ネットとリアルの融合も大きなテーマだが、融合して得られるメリットは限られている。店舗ではスマホアプリなどでネットを店舗に誘導するツールとして割り切り、Eコマースはリアルと切り離してビジネスの拡大を目指していく。それぞれ別個に考えてビジネスを構築した方が可能性は高いと思う』

 

 これは、オムニチャネルを縮小し、セブン&アイ・HDがスマホで店舗へ誘導する「セブン‐イレブンアプリ」を始めたように顕著になってきた。これからもこの流れが主流になっていくが、AI、IoTなどを活用することで新たな取り組みが出てくる可能性も十分ある。

 イオンが、ECや物流自動化などのデジタル投資が2022年度からの3年間で1兆円になる見通しだと明らかにしたように、この領域でさまざまな展開が繰り広げられていくだろう。結果次第では労働集約型の小売業の姿を大きく変える可能性がある。