厚生労働省のデータによれば、平成26年時点で専業主婦世帯は687万世帯、1114万世帯が共働き世帯と発表されています。数値は昭和55年時点とほぼ逆転、女性の社会進出や雇用形態の変化、少子高齢化など複合的な要因で、共働き世帯の割合は今後も増加していくと推察されます。

 この連載では実際に共働きしている家族を料理・買物・生活という切り口で取り上げ、どんな日常を送っているのかショートエピソード形式で毎週お届けします。

第25話 仕事と家庭の板挟みの夫・浩二の目線

 

「こんなこと言いたくないけど……言いたくないけど、オレの方が稼いでいるんだ」

 けんかのきっかけは、いつだってとても些細なことから始まる。今回は、畳まれていない洗濯物がソファーにあって座れないことを軽く指摘したら、洗濯機の上に置きっ放しにしていたニットを返された。

「そんなこと分かってる。でも、私が家のことをメインでやっているから仕事に集中できて『お互いさま』のところもあるよね? 何より、浩二は絶対に言っちゃいけないことを言った!」

 お互いの怒りがヒートアップする中、「お茶、お茶が飲みたいーーー」と騒いで今にも泣きそうな息子の礼二に、妻が冷蔵庫から出した麦茶を渡しながら返す。

「今はもめるより、どう考えても礼くんのことを優先することが先でしょう! 大体あなたは、その稼いだお金とやらを礼くんが喜ぶことに使っているの?」

―――

 家事や育児は、自分なりにできることを精一杯、他の人よりはやっている方だと思う。21時前に帰宅できたときは夕食も取らずに急いでスーツを脱ぎ、息子を風呂に入れる。

 大体寝落ちする妻が礼二の寝かしつけをしている間に、残された1人分の食事をレンジで温め直して食べながら1人でニュース番組を眺め、食洗器を回してから眠る。

 朝の送りは自分の担当なので、バタバタと保育園の準備をしてから職場に遅刻ギリギリで向かう。平日の家事がお任せ状態の分、休日の家事や育児はオレがメイン担当で、夕飯もなるべくオレが作るようにしている。

 それでも妻の方が家事・育児の負担は大きい。気付くと増えているオモチャや絵本、見たことのない新しいサイズの靴、給食の献立と被らないおかず。オレが気付けていないこともきっとあるだろう。

―――

 だけど稼ぎも家事・育児も全部平等負担を求められるのは、正直しんどいときもある。

 妻は最近まで正社員だったが、子育てしながらではいろいろ働きづらいこともあって、比較的時間やスケジュールに自由が利く派遣に変えた。彼女の意思というよりは職場の雰囲気が子育て社員にウエルカムではなかったため、辞めざるを得なかったような形だ。

 自由が利く分、正社員のときより妻の給料は下がった。

 同じ頃、オレは昇格して責任が重くなった。上がった給与に比例して仕事が忙しくなったため、どうしても家庭にいる時間を選べる妻の方が、担う家事・育児の比率が増えていった。

 先日も、残業続きで体調を崩したオレに変わって、妻がクリスマスの料理やサンタさん用のプレゼントを全て用意してくれた。

―――

 息子をお昼寝させて、戻ってきた妻に謝って仲直りする。あの発言は、確かに悪かった。謝るのは大抵オレからだが、家族の雰囲気が悪いのが一番良くない。

「さっきは言い過ぎた、ごめんね」

 とはいえ、ちょうどいい家事・育児の分担方法や働き方は、まだ手探りだ。

 妻が育休中のオレの帰宅時間、礼二が病気になったときにどちらが休むか、妻が残業で保育園の迎えに行けなくなった――毎回小さなことで意見が衝突してはそのたびに仲直りし、とりあえずの一時しのぎに見えるような解決方法を試していく。

 選んだ答えが正解か外れかも分からないまま、オレたちはぶつかり合っては修復を繰り返す日々を過ごしている。

 

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第26話 家庭に関心を持ってほしいと願う妻・愛梨の目線

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