夢の街創造委員会のHPより

 都市部の住宅街、オフィス街では「出前館」のロゴを付けたバイクが目立つようになった。さらに大手の外食、ファストフードチェーンのメニュー扱いを示すロゴも表記されている。この背景には消費者側の需要増と供給側のシェア活用増が見て取れる。

「出前館」の利用者はPCサイト、またはスマホ上の専用アプリから希望のメニューをオーダーするだけで指定の場所に届けてもらえる。アプリ上には「ピザ」「寿司」をはじめ、和・洋・中のフードサービスチェーンが表示されており、利用者は希望のチェーンから選べるのが従来の“出前”との違い。いわば出前のマーケットプレイスといえる。

 出前館を運営するのは「夢の街創造委員会」。1999年設立、翌2000年には出前館サービスを開始。デリバリー手数料を収益源とするビジネスモデルを構築。2006年には上場。以来、2018年8月期まで増収を継続している(売上高54億3079万円、経常利益8億4903万円)。

 同社決算資料によると出前館を使ったオーダー件数は2018年度で2332万件(前年比135.0%)、出前館に委託する飲食店の加盟店舗数は1万7207店(同112.3%)、アクティブユーザー数269万人(同114.1%)これらの数値は同社が重視する経営指標であり、毎月開示されている。

配達・訪問サービス事業者、飲食事業者と提携進める

 デリバリーを外部委託する同社にとって、配達要員の確保は必須。2016年には朝日新聞社と業務提携。同社が全国各地に擁する2000カ所以上の販売拠点(ASA)および6万人以上の配達要員の活用を目的としたものだ。さらに昨年10月には生活トラブル解決の訪問サービスを行うジャパンベストレスキューシステムと提携するなど訪問要員を擁する事業者との提携を進めている。

 こうした配送拠点、人員を基盤に進めているのが、同社が呼ぶ「シェアリングデリバリー」。複数の外食店による配送のシェアである。要員、設備を持たない企業、店舗でもデリバリーが可能になるというもの。

 今年10月に予定されている消費増税と併せ、軽減税率の適用対象とされるテイクアウトは飲食店にとっても顧客確保の方策の1つになるだけに「出前館」に象徴されるデリバリーのシェアは拡大可能性が高い。