2019年は小売業が自らの在り方を考える年

 これから店舗はどのような運命をたどるのだろうか。

 店舗もまたモノやサービスを提供するツールに過ぎない。近世における人間の移動手段は、徒歩、馬、籠、人力車、馬車、鉄道、車、飛行機と次々に変遷してきた。この移動手段の変遷を考えれば、店舗も使命を終えるときが来るかもしれない。

 ただ、明治時代に登場した人力車はその使命を終え、今では観光地の乗り物として各地で活躍し、違った形で生き残っている。ウィスキーは酎ハイやビールに駆逐され消滅するかと思われたが、ハイボールやシングルモルト、ジャパニーズウィスキーの高評価で復活した。高度成長期のサラリーマンの娯楽であったマージャンも高齢者の健全なレジャーとして生まれ変わった。

 

 これらを見ても、店舗も今のままでなく、異なる役割が与えられ、新たな性格を持つものに変わる可能性がある。丸井グループの青井浩社長は「モノを売らないビジネスを目指す」と、新宿の店舗1階を「アップルストア」にするなど、モノを売って収益を得る構造から場所貸しの賃貸ビジネスへの転換を図ろうとしているが、これもその1つの姿だ。

 今、リアル店舗が進めている接客サービスの強化や体感、体験できるといった程度の対策ではECへの対抗策としては決定打に欠ける。なぜなら、これらは既にネットでも行われているし、テクノロジーの進化で可能となるものだからだ。

 そう考えると、店舗に固執する必要は全くなく、小売りという役割に自らを限定することもないといえるだろう。2019年は生活者にモノとサービスを提供する事業者としてどうあるべきかを考える年といえるだろう。そんなことを初売りから考えてみたのである。