国内最大の売上げを誇る御殿場プレミアム・アウトレット。2位以下を大きく引き離している。

 三菱地所・サイモンが展開する「御殿場プレミアム・アウトレット(PO)」(静岡県御殿場市)は、施設売上高で国内最大のアウトレットモールだ。2018年3月期の施設売上高は910億円(前期比6.6%増)。同社が手掛ける国内2位の神戸三田POの約1.7倍と2位以下に圧倒的な差をつけ、独走状態を続けている。

 年間坪効率は単純計算で673万円と桁外れの水準をたたき出す。20年春には実に12年ぶりとなる第4期増設を実施する計画で、約100店が新たに加わり、さらにパワーアップする。

高級ブランドを多数そろえ、東京、神奈川から呼び込む

 御殿場POは、東名高速道路・御殿場インターチェンジ(IC)から約2㎞の森の中にある。店舗面積は約4万4600㎡と同社最大規模で、テナント数は203店(18年5月現在)。谷を挟んで東西の2つの街区に分かれ、橋で結ばれている。

「プラダ」や「クロエ」「アルマーニ」などラグジュアリーブランドや高級インポートブランドが同社の他の施設と比べても多く集積しているのが特徴で、「フェンディ」のアウトレット店は御殿場にしかない。

 業種別テナント構成はファッションが約5割、靴・バッグが約2割、スポーツ・アウトドアと雑貨がそれぞれ約1割ずつ、残りが飲食などで開業時から大きく変わっていない。

 20代~30代の女性をコアターゲットとしながらも、ファミリー層まで含め、幅広く集客している。

 商圏設定は車90分圏。高速バスを使うと東京都心部までカバーでき、神奈川県、静岡県東部などがすっぽりと入る。来場者は東京都と神奈川県が5割、地元・静岡県が3割でこの3都県で8割を占める。この他山梨県などかなり広域から集客しているという。

 00年7月にPOの1号店として店舗面積約1万9800㎡・テナント83店の規模で開業した。初年度の01年3月期は222億円の売上高だった。

 開業2年後の03年7月にはLVMHグループの「セリーヌ」や「フェンディ」などを集めた「メレーズ」をはじめ、「フェラガモ」「ロロ・ピアーナ」など高級ブランドを中心に73店を加え第2期増設オープンに踏み切った。

 08年3月には第3期増設を実施。カメラの「ニコン」や家電の「デロンギ」などファッション以外の業種にもテナントを広げた。翌年3月期の売上高は548億円に拡大した。

ウエストゾーン(西街区)とイーストゾーン(東街区)は「夢の大橋」と呼ぶブリッジでつなげ、行き来ができる。
アメリカ東海岸の都市の街並みを再現し、非日常空間でゆっくりと買物を楽しんでもらおうとしている。

年間レジ客数は1000万人超、観光地と一体化した集客力

 その後10年以上にわたって増設をしていないのにもかかわらず、インバウンド(訪日外国人客)ブームに沸いた14年3月期~16年3月期は3年連続で2桁成長をするなど、その後も順調に業績を拡大。前3月期にはついに900億円を突破した。インバウンド客は今では2割を超えている。

外国人観光客に買物だけでなく観光案内もする「ウェルカムセンター」。第4期増床に向けて18年2月に移転し、現在は仮設の状態。

 また年間レジ客数は15年3月期に1033万人(前期比3%増)と初めて1000万人を突破。集客力に基づく買上客の増加で16年3月期は1065万人(同3%増)、17年3月期1023万人(同4%減)、18年3月期1038万人(同2%増)と4年連続で1000万人を超え続けている。

 今期も引き続き順調で、今上期はラグジュアリーブランド、インポートカジュアル、大型セレクトショップなどが好調だった。業種別に見ると「アディダス」「ナイキ」などスポーツ・アウトドア系のテナントが約10%増、「コーチ」など靴・雑貨のテナントも1桁台後半の伸び、ファッションはやや伸びを欠くものの「ビームス」「ユナイテッドアローズ」などがリードして前年を上回っているという。

スポーツ・アウトドア系のテナントの売れ行きはこの上期も前年に比べ2桁増と好調だ。

 増床しなくても伸び続けている理由は、国内外客を問わず、高い集客力を持っていることだ。特に御殿場は箱根や富士五湖にも近く、観光地を訪れるお客がPOにも立ち寄る「『観光地+PO』という図式ができている」と狩野保支配人は話す。団体客の誘致にも力を入れてきた。また東京駅や新宿駅からの高速バスが07年から運行されているなど「十数年かけて交通アクセスの整備をしてきた」(同)努力が実を結んでいる。これに高級ブランドが多いという施設の魅力も加わっている。

高品質なダウンジャケットで有名なイタリアのファッションブランド「タトラス」も最近出店した。
大型セレクトショップの代表格で、今上期もファッションテナントをリードしている「ビームス」。
第3期増設ではファッションに限らずカテゴリーを広げた。その際に新規出店したカメラの「ニコン」。
飲食店もフードコートの他、モール内の各所に配置している。写真は地元静岡の人気店「沼津魚がし鮨」。