正面ゲートを入るとモノトーンを基調にしたスタイリッシュな外観が目に飛び込む。取材時は噴水をクリスマス商戦向けに装飾していた。

 イオンモールが展開する「ジ アウトレット広島」(広島市)は、同社が開発した初のアウトレットモールだ。しかも食とエンターテインメントなどを複合した新タイプのハイブリッドモールに仕上がっている。4月27日に開業して以来、売上げは順調で、年間予算を達成する見通しだ。既存事業者にとっては脅威にもなり得る同モールの開業6カ月(4月下旬~10月下旬)の動向を追った。

食とエンタメ、地域産品とのハイブリッドモール

 ジ アウトレット広島は広島電鉄が山を切り開いて住宅、物流などを集めた開発ゾーンの商業施設エリアに開業。北約2kmに山陽自動車道の五日市インターチェンジ(IC)、約10kmには広島自動車道の広島西風新都ICがある。

 総賃貸面積は約5万3000㎡とイオンモールの最近の広域型ショッピングセンター(RSC)と比べると小ぶりだが、用地の斜面を活用して1階はエンクローズドのプロパーモール、2階は平屋建てと間違えそうなオープンエアのアウトレットモールと巧みなコンビネーションを組んでいる。

 

 商圏は車110分圏と広めに設定。国内外の観光客も呼び込む。三井不動産が展開する三井アウトレットパーク倉敷(岡山県)から車で約2時間弱の距離だが、連休には姫路や山口、島根、鳥取の各県からも来場する超広域型の施設になっている。

 コンセプトは「本格アウトレット×エンターテインメント×地域との出会い」。

 2階では中四国最大級となる約120店のアウトレット店を集積。一方で、1階のプロパーモールは食品特化型の「イオンスタイル」を中央に配し、北から順に、①地域に根差した暮らしとコトのスタイル提案(なみのわガレージ)、②食物販(よりみちマルシェ)、③ダイニングコート(にしかぜダイナー)、④エンターテインメント(ほしかげシティ)――と4つのゾーンで構成している。

 全館のテナント構成は衣料品が約50%、雑貨が17%、食物販6%と物販だけで約75%を占め、飲食が20%弱、残りはサービスなど。2階のアウトレットモールはセンターコートに外資系の高級ブランドを配置。その他は回遊性を高めるためにRSCのようなゾーニングをせず、各業種を分散。特に「アディダス」「ナイキ」などスポーツ・アウトドア系が12店と多く、国内の主要ブランドをほぼそろえている印象だ。

<2階の注目店>スポーツ系は国内主要ブランドをそろえた

スポーツ・アウトドア系は国内の主要ブランドをほぼそろえている。写真は「ニューバランス」。
アウトレットモールに積極的に出店しているセレクトショップの「ビームス」。
働く女性に向けたジュエリー、ウオッチ、バッグなどを展開する「フォリフォリ」。
フランスのキッチン雑貨や小型家電の有名メーカーである「ティファール」。
2階のアウトレットの面積は全モールの45%を占めるが、客単価が高いこともあり売上げは2階の方が多い。