自主性を尊重するアークスの『八ヶ岳連峰経営』

 まず、アークスは北海道に進出し攻勢を強めてきたイオンに対抗して、福原、ふじなど道内の企業と経営統合して規模を拡大。2011年には青森のユニバース、翌年には岩手のジョイス、ベルグループとも経営統合するなど、道内にとどまらず、その連携は北東北にも広がった。そして今回の3社提携となったわけだが、今までの流れからすれば当然の帰結といえる。

 そこで主導的役割を果たしてきたのが横山清社長。北海道でラルズという有数なSMチェーンを育て上げ、『八ヶ岳連峰経営』を掲げてアークスという持ち株会社傘下の企業の自主性を尊重した経営を認めた緩やかな集合体を作り上げた。ローカルチェーンが結集する拠り所の役目を果たしたアークスグループは売上高5000億円規模のチェーンになっているが、今回の提携前にも売上高1兆円を目指してM&Aにも意欲的だった。今回の3社の資本業務提携でそれを超えることになり、3兆円というイオンに肉薄する目標を掲げて一大勢力にのし上がろうしている。

イオンの『緩やかな連峰経営』は富士山型

 イオンも『緩やかな連邦経営』を標榜し、過去、多くの企業をグループ化してきたが、結果的にはイオンを頂点とするグループとなって、『富士山型』の集合体の性格が強い。これに対して、『八ヶ岳連峰型』はある意味、独立性が担保できることから、グループに参画する抵抗感が和らぎ、今後も多くの企業が加わる可能性が高い。

 とはいえ、意思疎通がうまくいかずバランスが崩れれば、グループとしての統一性が損なわれ、それぞれの山が崩れる危険性も内包している。この点、富士山型はそうしたことは起こりにくく一蓮托生であるが、グループに加われば独立性は徐々に失われ、最終的には頂点のイオンに最終的に飲み込まれていく。

 それぞれ一長一短があるが、何より問題とされるのは、八ヶ岳連峰型でも主導するリーダーの存在は不可欠であること。トップリーダーがいない合議制では、烏合の衆となりかねない。

 アークスでは横山社長がその役目を担ってきたが、「新日本スーパーマーケット同盟」では誰がイニシアチブをとるのか。当面は横山社長がその役目を果たすと思われるが、83歳という高齢でもあり、ポスト横山はおそらくバローホールディングスの田代正美会長兼社長に受け継がれるだろう。