イオンが進める「売場の専門化」に大きな動き

イオンはオーガニック市場の成長の可能性を確信したことから新たな店舗フォーマットを開発

 イオンは2016年6月、フランスの有力オーガニックスーパー「ビオセボン」と提携し合弁でビオセボン・ジャポンを設立、12月、東京・麻布十番に1号店をオープンした。

 日本におけるオーガニック市場の成長の可能性を確信したことから、子育てママをメインターゲットに、新たな店舗フォーマットを開発。18年4月に「中目黒店」をオープン、東京と神奈川で立て続けに7店舗を出店した。今後も首都圏で店舗展開を進め、オーガニック事業の拡大を図っていく。             

衣料品では、イオンリテールが、新業態「iC(アイシー)」を開発

 衣料品では、イオンリテールが、新業態「iC(アイシー)」の1号店を「イオン船橋店」を改装し、10月に出店した。2号店の「イオンスタイル板橋」ではインナーウエアだけではなく、レディスとメンズのカジュアルファッションも取り扱う。

 イオンは『GMS改革』を進行中で、売場の専門化・業態化に取り組んでいるが、「iC」もその1つで、分社化を視野に入れショップ展開を行っていく。既に「イオンバイク」と「イオンリカー」などは独立したが、2020年までに「キッズリパブリック」「グラムビューティーク」「ホームコーディ」も分社化する予定だ。

 イオンのGMSはそれぞれの「ユニット」ごとに分化され、その上で立地や商圏に応じて再構築し再生を目指そうとしている。

「ワークマン」は新業態「ワークマンプラス」の1号店を「ららぽーと立川立飛」に9月、オープンした。職人などプロ向けのワークウエアや作業用品は取り扱わず、高機能アイテムをそろえたアウトドア、スポーツ、レインウエアの専門店で、一般顧客を新たに取り込み、成長を担保する。今後、数年で100店舗以上を出店し、120億円の売上げを目指す。

 ホームセンター(HC)のカインズは、都市型新業態「スタイルファクトリー 」の2号店を9月に開業した「ららぽーと名古屋港アクルス」に出店した。スタイルファクトリーは、モール向けに開発した業態で初めてのテナント出店。DIYを打ち出しながら、キッチンなどの家事用品、ウエルネス関連、ホームファッションを展開した都市生活者向けのライススタイル提案型のショップだ。トステムビバも新業態「ハウスデコ」を開発、18年7月開業した「コロワ甲子園」に2号店を出した。

 これに先立ち17年9月に1号店を「イオンモール神戸南」に出店しており、「スタイルファクトリー」とともに、都市部の商業施設という新たな立地で、飽和市場のHCの現状打破を図ろうとしている。

アウトレットモールではアイススケートリンクもある「ジ・アウトレットモール広島」が開業

 アウトレットモールでは、アイススケートリンクやボウリング場などのアミューズメントやシネコン、フードコートや飲食店から構成される巨大なフードゾーンも備えたハイブリッド型の「ジ・アウトレットモール広島」が4月、オープンした。

 広域商圏のアウトレットモールでは異例のイオンリテールのSMや地元の企業も数多く出店。広島広域都市圏のPR機能もあり、開発したイオンモールでは、地域との関わり合いを深めて、「地域創生型商業施設」を目指す。

 9月には、「日本橋高島屋」の新館もオープンした。百貨店ではなく114店舗(本館ガレリア部分を含む)が出店する専門店が集積する館。日本初の郊外型SCの玉川高島屋S.C(東京・世田谷)を作り、シンガポールでも同国有数のSCを運営しているグループ企業の東神開発が手掛けたもので、百貨店が取り込み切れていない20代から40代の女性をメインターゲットにし、近隣のオフィスワーカーや国内外のツーリスト需要にも対応する。

 日本初上陸や商業施設初出店、新業態といった目新しい店舗をはじめ、特色のある専門店で構成され、館内もゆったり買物が楽しめるよう設計されている。

セブン-イレブンがレジ袋有料化を検討

 こうしてさまざまなシーンで新たな取り組みがみられたが、社会問題を解決するための新たな表明も行われた。プラスチックの海洋汚染がクローズアップされる中で、セブン‐イレブン・ジャパンがレジ袋の有料化を検討すると表明した。

 有料化はイオンなど一部の店舗で実施され、西友も全店で行うなどGMSやSMで取り組みが先行しているが、なかなか進まないのが現状で、コンビニ最大手である同社が実現すれば、大きな影響を与えることになる。

 セブン&アイ・HDは近年、持続可能な社会の実現に貢献すべく、地球環境の保全のために、環境負荷低減に積極的に取り組んでいる。レジ袋の有料化はそれに沿うものでもある。さらに、事業活動の特性を生かした社会問題の解決に向けた「攻め」の取り組みにも積極的で、事業戦略と一体化したCSR経営を推進している。CSRは経営が取り組むべき最重要課題の1つとして浮上してきており、一層の取り組みが求められている。

 2018年に流通シーンで起こったことは、明らかに流通新時代を教唆する予兆である。新たな取り組みや展開がこれからどうなるかで、新時代の景色も変わってくるだろう。