ついにキャッシュレスレジが入り始めた!

 業界再編を促す少子高齢化による人口減少は生産年齢人口の減少にもつながる。総人口に占める割合は1995年のピークの約70%から2018年には60%を切るまでに低下した。完全失業率が2.4%と低く、有効求人倍率も1.62倍と依然として高水準で、人手不足が常態化している。

 流通業界も深刻で、店舗運営の主要な担い手であるパート・アルバイト不足に悩まされている。そこで取り組まれているのが省人化。セルフレジの導入が進み、省人店舗の実験やキャッスレス化の取り組みも見られる。

カスミ筑波大学店のレジはオールキャッシュレジ

 10月にオープンした「カスミ筑波大学店」のレジはオールキャッシュレジ。大学のキャンパス内にあり、学生の利用が大半なため、キャッシュレスへの抵抗感も少ないことから、クレジットカードと電子マネー決済のキャッスレスレジ導入に踏み切った(レジ要員はアテンダント1人のみとなった)。

 さらに発注を自動化し、商品の消費期限などの日付けチェックもITを活用。部門の壁を取り払い、複数の仕事をこなすマルチタスクも導入した結果、正社員は店長のみで、パート・アルバイトは7.75時間換算でわずか10人となり、従来の店舗より大幅に人員を減らして店舗を運営できることになった。

 余談だが、この筑波大学店、授業のない日曜日を定休日としたため、パート募集で従来の3倍もの応募があったという。

 ライフコーポレーションも、オフィス立地店舗のランチタイムの混雑を解消するため、7月にキャッシュレジを大阪の2店舗に導入、12月オープンしたJR田町駅前の「ライフムスブ田町店」(東京都港区)では7台稼働させている。

セブン-イレブンも省人店舗に取り組んだ!

 コンビニでは12月、「セブン‐イレブン」の省人店舗が、NECグループが入居する三田国際ビル(東京都港区)に出店した。社員向けの店舗で、顔認証システムで入店し、セルフレジを利用し給与天引きで精算する仕組みで、今後はナナコやクレジットカードの利用も可能となる予定だ。店内に設けたカメラによるマーケティングデータの収集やコミュニケーションロボット「PaPeRo i」がお客の顔を認識し性別・年齢などの属性に応じた商品提案も行う。IoT対応の陳列ケースや自販機、セブンカフェのマシンを設置し、冷蔵ケースの温度異常や不具合、コーヒーマシンの豆の補充や清掃のタイミングなどを従業員に知らせる。

ローソンはセルフ決済サービス「ローソンスマホペイ」を実証実験

これに先立ちローソンも、春に都内の3店舗で店内ならどこでも決済が可能になるスマートフォン専用アプリを使用したセルフ決済サービス「ローソンスマホペイ」の実証実験を行い、18年度中に100店舗に導入する。

 ローソンに続いて、セブン&アイ・HDもセブン・ペイを設立、来春からスマホ決済に参入することになった。政府も2025年にキャッスレス化率を40%に引き上げる計画で、利便性で優れたスマホペイの存在感が強まっていくだろう。

ファッション通販「ゾゾタウン」の「ゾゾスーツ」がサービスを開始

 スマホ利用では、ファッション通販「ゾゾタウン」の「ゾゾスーツ」がサービスを開始し話題を集めた。配布されたゾゾスーツを着用しスマホで撮影し自動採寸する。これらスマホを軸にしたイノベーションはますます盛んになるだろう。

 また、ローソンは、国内外の最新のIT技術を結集した「ローソンイノベーションラボ」を開設し、店舗での実用化に向けた実験を進めている。そして2018年を「デジタル元年」と位置付け、第4次産業革命と称される進化するテクノロジーを駆使し、顧客の利便性向上と店舗オペレーションの負荷軽減を推進しようとしている。

ローソンの完全自動セルフレジ機「レジロボ®」

 これまでにも、AIを活用したセミオート発注システムやタブレットによるワークスケジュール管理を導入。さらに完全自動セルフレジ機「レジロボ®」の実証実験などを行い、生産性の向上を目指しており、今後もこの分野で先進的な役割を果たしていくだろう。

 流通業界以上に人手不足なのが物流業。ユニクロでは、2018年春夏商品から全商品を対象に無線通信で商品情報を読み取れるRFIDタグの貼付を始め、商品の検品、入荷、在庫管理、棚卸し、販売などで効率化に活用する。

 ファーストリテイリングはマテハン機器大手のダイフクと戦略的グローバルパートナーシップを締結し、物流倉庫の省人化を進めており、半年間のテスト期間を経て、10月からEC向けの有明倉庫がフル稼働した。

 24時間稼働で省人化率90%、自動検品率100%を実現。従来はオーダーから出荷まで8~16時間かかっていたが一気に15~60分に短縮した。従来よりも入庫生産性は80倍、出庫生産性は19倍、保管効率は3倍と大幅に効率化された。

 こうしてみてくると2018年は最新テクノロジーを活用した取り組みが目立ったが、今後もIT、IoTを中心にさらにイノベーションが進むものと思われる。