株式会社テイクファイブ 代表取締役 遠山和輝氏 [人物撮影]千葉太一

 2018年11月30日、東急田園都市線・二子玉川駅近くの玉川髙島屋SC裏手に裏路地再生エリアとして開業した「二子玉川柳小路」に、焼き肉店「まんぷく」がオープンした。同店を経営するのは(株)テイクファイブ(本社/東京・広尾、代表/遠山和輝)で、同社の焼き肉ブランド「まんぷく」としては国内5店目となる(国内総店舗数17店舗/2018年12月末現在)。

 同社は、1998年にアメリカ・ロサンゼルスに「まんぷく」を出店し、現在カリフォルニアに4店舗を展開している。アメリカでは焼き肉を日本の食文化として位置付け、「日本らしさ」を発信することを心掛けてきた。

 このたび出店した二子玉川柳小路は、千年格子や石畳などから京都の町屋をイメージさせ、「まんぷく」も白木と和紙を使った内装で、木戸、照明、家具に至るまで、「日本らしさ」でまとめている。客単価は6000~7000円。食事とともに豊かな空間の中で過ごす時間を楽しむというコンセプトである。

〈焼き肉業界の18年〉業態が細分化し、一層活発化

 2018年、焼き肉業界に画期的な業態が誕生した。それは「焼肉ライク」で、8月29日新橋に1号店、11月29日西新宿に2号店をオープンさせたが、同店は「1人焼肉」「焼肉のファストフード」をうたい、「選べる焼肉」というバラエティを特徴とし客単価1400円となっている。14~17時のアイドルタイム以外は行列ができて、1号店では、16坪20席で1日20回転し、月商1600万円となっている。2019年には、この類似業態が続々と誕生することであろう。

 焼き肉業界ではこれまで叙々苑、トラジという高級店のグループが存在し、また「ふたご」をはじめとした客単価4500~5000円グループもあるが、そこに客単価1400円の業態が誕生。そして、「まんぷく」によって客単価6000~7000円のニーズが顕在化したことで、今後、焼き肉業界は一層の活性化が想定される。

事業家一族の環境の中で、飲食業と出合う

 そこで「まんぷく」を開発したテイクファイブ社長である遠山和輝氏に、同社がどのような背景を持って、この業態のポジションをつくり上げたのかを伺った。

 遠山氏は1968年東京生まれ。事業家の一族で、正月に一族が集まると「今どんな事業に取り組んでいるのかを語り合う環境で育った。

 焼き肉店「まんぷく」の原点は、祖母が東京・勝どきで焼き肉店「まんぷく苑」を営んでいたことにさかのぼる。同店はそれまでタレ味がメインだった焼き肉業界において「ねぎタン塩」を初めて商品化した店として知られている。

 しかしながら、遠山氏はこの祖母の店を引き継ぐことを目的に飲食業を志したのではなく、偶然に導かれていき、祖母の店は遠山氏の叔父が引き継いだ。