2019年に創業100周年を迎える衣料品専門店「あかのれん」。現在も店舗数、売上高ともじわじわと伸ばしている。同社は1919年(大正8年)、名古屋に呉服店として創業し、直後「あかのれん」に改名。以降、実用衣料主体に営業、店舗数を増やしていった。

 2018年12月時点で84店舗。18年2月期で78店舗(売上高193億円)であるから今期だけで6店舗を出店したことになる。過去3期にさかのぼっても16年2月期73店舗183億円、17年2月期76店舗188億円と堅調に成長を続けている。

 実用衣料を主体とした主なチェーンの創業時期をみると、ユニクロの前身である小郡商事が1940年代、しまむらが島村呉服店を設立したのが1953年となっており、規模は違えど、あかのれんの事業の継続性がいかに稀有なものであるかが分かる。

 あかのれんの特徴は3つ挙げられる。

 第1に実用衣料を主体とした商品構成。約1200㎡の売場は正方形にレイアウトされ、婦人、紳士から子供、ベビーまでを対象にコート、ジャケット、ブルゾンなどのアウターからインナー、ソックス、そしてシューズ、バッグなどの服飾雑貨、一部寝具もそろえる。一部、婦人向けのハイファッションはあるが、多くはダウンジャケットのような高単価商品も3000円台、寝具もセットで5000円、掛け、敷きではそれぞれ3000円以内と手軽に買える価格設定。また上記のカテゴリーには「AN LIFE」「AN HEAT」などプライベートブランド(PB)を投入し、さらに割安感を打ち出している。

強豪SMとの共同出店、早めのセールで在庫処分

 特徴の第2が出店戦略。出店方式はスーパーマーケット(SM)、ホームセンター(HC)とのショッピングセンター(SC)が中心。中部ではバローとの共同出店が中心だが、新規出店地域である京都では平和堂(フレンドマート宇治店)、大阪では万代(堺高須店)といったように各地の強豪チェーンとの出店により集客力を活用しているといえる。

 そして、以上のような低価格を維持した商品開発と集客力の高い立地を背景にした、同社の販売政策が第3の特徴となる。例えば、寒の入りが遅かった今冬だが、12月中旬に冷え込みが続くタイミングでアウター中心に処分セールを実施。ダウンは6割引、比較的用途が広いブルゾンは3割引といったようにカテゴリーごとの鮮度を考慮した割引を打ち出しつつ、持ち越し在庫を無くす施策を講じている。

 こうしてみるとチェーンストアの商品政策、出店戦略に忠実なのである。