電車(小田急電鉄)、駅すぱあと(ヴァル研究所)、車・駐車場(タイムズ24)、サイクル・駐輪場(ドコモ・バイクシェア)らが移動サービスの一体化(MaaS)を目指して動き出した。12月12日、上記各社と「小田急MaaS」と称した連携を行う旨の発表がされた。

 車・駐車場を担うタイムズ24。その親会社・パーク24は都市部における駐車場ビジネスで成長してきた。同社の事業の現状と可能性をみてみる。

 パーク24の2018年10月期の営業収益2985億円(前年比128.1%)、営業利益225億円(同109.9%)は1997年の株式公開以来21期連続の増収。駐車場の概要は駐車場設備1万8981件(前年比104.0%)、運営台数72万4448台(同106.0%)。貸し駐車場ビジネスを主体とする企業では規模、知名度ともトップである。

 同社は駐車場関連設備のメーカー、メンテナンスとして創業。1991年に無人の時間貸し駐車場第1号「タイムズ」を上野にオープン。92年にタイムズ24に社名変更、2011年にタイムズ24を含むグループ各社がパーク24の統括下になった。 

 セグメント別でみると「駐車場事業(国内)」が1567億円(前年比106.0%)、営業利益275億円(同107.1%)と売上げ、利益ともに基幹部門。駐車場の新規開発、そして駐車場の稼働率を高めることが中心となる。

 2018年7月、国交省が発表したガイドラインによると、自動車保有台数は8000万台と横ばいだが、駐車場は500万台と依然、増加中であるとしている。一方で、駐車場の都市部集中により渋滞の誘発もあり、歩行者優先の街づくりを促す主旨を挙げていることもあって新規開発にとっては必ずしも追い風ともいえない状況だ。

 また、駐車場の稼働率を高める施策として、同社では既に駐車場開発と併せ、拠点の拡大とともにレンタカーサービスの「タイムズカーレンタル」とカーシェアリングの「タイムズカープラス」を2009年より開始している。

2桁の伸び続けるモビリティ事業

 これらは同社では「モビリティ事業」としてセグメントされており、2014年以降、毎年2桁の伸びを継続している。今年10月期では735億円(前年比120.4%)、営業利益68億円(同134.1%)にまで成長している(*一部、駐車場事業の収益と重複)。

 ただし、レンタカーでは割高なレンタル料、煩雑な利用手続き、カーシェアでは利用車種が限られる上、長期利用ができないなどのデメリットが残る。そこで、同社では、2019年1月より、両者のサービスを統合した「タイムズカー」のサービス実験を都心で開始する。Webを介した予約から利用までの簡便性と、車種・利用時間の選択肢の幅を併せたもので利便性を一層高めている。

 冒頭に挙げた「MaaS(Mobility as a Service)」という言葉がニュースや紙面に登場するようになっている。鉄道、バスなどの公共交通から自家用車以外の車、サイクルなどのあらゆる移動手段を1つのサービスとしてとらえるもの。乗り継ぎや時刻表などの検索サービスは従前よりあったが、移動手段の統合により予約から決済までをスマホ上のアプリで一括手配することで利便性をさらに高めようというものだ。各事業のインフラの活用効率もより高まる。パーク24の「タイムズカー」も、同社の豊富な駐車場、保有台数を基盤としたもので、MaaSには不可欠なサービスなのである。