オペレーションを工夫して大量生産することで利益商材に

 城取氏は、ポテトフライのオペレーション、コーティングの検証、付加価値を付けた商品の売場検証などをテーマに講演を行った。

城取博幸氏

 ドイツの生鮮市場の専門店では、約60種のポテトが陳列され、料理に適したポテト120種あまりを紹介したツールもあり「ポテトを深掘りする必要を感じた」と城取氏。また、フライドポテト専門店が多いオランダで、店舗のバックヤードで大量に揚げ置きしてある光景を紹介し、「ポテトは単価が低いので、こうしたオペレーションができれば、惣菜でうまくいく」と解説。国内では、ポテトの種類とディップを選んでカスタマイズする、人気のフライドポテト専門店で、複数のポテトを食べ比べ、「フライドポテトに合うのはアメリカのポテト」と、米国産ポテトの適性を高く評価した。

 また、老舗洋食店の、チーズを絡めたフレンチフライに注目して、市販の冷凍フライドポテトで再現する実験を行った課程を紹介。試行錯誤の末、市販品に自分でコーティングしたポテトを使い、電子レンジで再加熱を行い、POPを付けてスーパーマーケットで試験的に販売したところ、完売するという成果を発表し、「揚げ置き、大量陳列が可能で、電子レンジでの再加熱でぱりぱりになることが分かったのは大きな収穫」と結んだ。さらにローディット・フライの販売実験も行い、売価、値入率、粗利益率などの数字も公開した。

 その結果、「ポテトフライは単価が低く、高利益商材だが、大量生産が必要で、オペレーションを考えなければならない。コーティングすれば経時変化に耐えられるので、コーティングしてある商材を使用するといい。電子レンジで再加熱することで、できたてを再現でき、SMでもフライドポテトの拡販が期待できる」と結論づけた。

インストア加工、アウトパックの両面からプロがメニュー提案

道畑富美氏

 インストア調理総菜のメニュー開発と提案は、Foodbiz-net.com代表の道畑富美氏が担当。道畑氏は、「今まで、ポテトは揚げたてが一番と思っていたが、今回、いろいろ試作して、コーティングしてあるポテトは、冷めてもレンジアップでカリッとおいしくなり、再現性が高いことに感心した」と、米国産ポテトを評価。今回の商品開発のポイントとして、「インストアで手間無し調理ができる。購入後、電子レンジで温めるなど、家でちょっと手を加えて楽しめる。できたて感、手作り感でコンビニ総菜と差別化が図れる。経時変化に対応できる」をあげた。

 そして、容器も工夫して、経時劣化を抑えるだけでなく、見た目の楽しさも演出した提案メニュー4品を紹介した。

 アウトパック総菜のメニュー開発と提案をした阪急デリカアイからは、代表取締役の森川保氏が登壇。「チルド惣菜では、経時変化の関係でポテトは使って来なかった。だが、このところ開発を進めているフローズンレディミールでは、ポテトは、経済性が高く、商品作りがしやすく、ボリューム感も出しやすい。そして何より、年代を超えて好きな人が多い」と、ポテトに注目する理由を語った。

道畑富美氏の提案メニュー(4品)
森川保氏の提案メニュー(4品)

 

森川保氏

 今回の提案メニューに関しては、「とがった商品ではなく、売りやすいものにした。ベーシックだが、こんな使い方をすればポテトの味を楽しめるというメニューに絞った」と話し、「今回、ポテトは和洋中のメニューに合う汎用性の高い食材であることを実感。主菜、付け合わせ、おやつ、小腹満たし、酒のつまみなど、多彩な食シーンに合い、コスパも高い」と、ポテト惣菜の魅力にも触れた。

 講演後、実際に提案商品を試食した参加者からは「経時変化は気にならない」「意外な使い方が興味深かった」「すぐに使えるアイデアもあり、参考にしたい」といった声が聞かれた。

 

試食風景