恵比寿駅から約7分の看板猫がいるお店。料理が美味しいと評判のダイニングバーが「東京ロビン」です。看板猫は三毛猫の「ロビン」(3歳)。実は「ロビン」という名は、オーナー石井けいこさんの実家で暮らしていた歴代の猫たちの名前。自分がお店をもつ時には看板猫を迎えるつもりで、名前は既に決めていたのです。

 ところが念願のお店がオープンした、5年前の2013年11月11日。そこには看板猫ロビンの姿はありませんでした。実は、お店と共に育ってほしいと、子猫を捜していたことがハードルとなってしまいました。子猫は春生まれが多いので時期的に難しかったのです。そこで、この子こそロビン! という子猫と出会うまで、気長に待つことになりました。

カウンター5席、テーブル14席。アンバーなライティングで落ち着く店内。

「東京ロビン」の魅力は看板猫だけではありません。懐かしい昭和テイストの店内で美味しいごはんとお酒を味わうこの店は、石井さんとシェフが二人三脚で作り上げたものです。フレンチで10年間修行したシェフは、その後、スペイン料理店、シンガポール料理店などで経験を積み重ねました。東京・広尾では店を任され3年間腕を振るい、評判を得て念願の自分の店を恵比寿に構えることになりました。望んでいた規模の店舗が少なく物件探しは難航しましたが、それでもじっくり時間をかけて、アプローチ(入口のスペース)が広い2階の物件を見つけました。元和食屋さんだった店内を大改装し、内装も色ガラスやタイルにこだわり、壁や床、テーブルの塗装は自ら仕上げ、苦労はしたもののイメージ通りのお店を作り上げていきました。

 オープンして1年経つころ、看板猫ではなくて看板メニューのオムカレーが“ヱビスビールに合う逸品グランプリ”最優秀グランプリを受賞。「東京ロビン」の認知度も上がり、順調に伸びていく中、念願の子猫が見つかります。それが、ロビンでした。キュートな三毛猫で、長いしっぽにも一目惚れ。お店のオープンと同じ11月11日生まれだということにも運命を感じ、晴れて「東京ロビン」の看板猫が誕生しました。

蓄音機の生の音もめったに聞けませんが、針が動く様子も珍しい。お客さんが一斉に写真を撮ります。

 普段のロビンは夕方5時に出勤します。店内では自由に行き来して過ごしますが、それはロビンだけに限りません。お客さまも店内を動き回ってしまいます。飲食店で一度席に着くと一般的に動かないものですが、店には席を立つ大きな機会があります。それが、お店自慢の蓄音機、1931年英国製の「グラモフォン」。カウンター横にある蓄音機を囲んでのレコード試聴はさながら小さなショーのようです。

 レコード盤の溝を針が進むと、その音色に店内はノスタルジックな空気に包まれます。石井さんが専門店でその音を聞いてしまい、レプリカを予定していたにもかかわらず、後日本物を購入してしまったのもうなずけます。年配の方には懐かしく、レコードプレーヤーも知らない若者には新鮮に感じるそうです。石井さんは、特に初めて来店のお客さんに、さり気なく視聴をうながします。なにしろ蓄音機の音はそうそう聞けるものではありませんから。

 常連客の多いお店は、どうしても一見さんにとって居心地が悪いときがあります。「東京ロビン」のコンセプト「懐かしい昭和テイストに看板猫」はそんな距離を縮めようとする、気遣いの表れかもしれません。

 

 リュック式のキャリーケースから顔をのぞかせるロビン。石井さんの背中に揺られての出勤です。

 

 お客さまに甘えて寄っていくタイプではありませんが、基本的には人好き。でも抱っこやしつこく触られるのは苦手です。

 

 出勤時間の5時からしばらくは店内をウロウロ。その後7時頃からは落ち着いて寝ていることもあります。

 

 店内奥の招き猫もレトロな演出です。ねこ好き常連さんが猫小物を持ち寄ります。

 

 カウンター横にある蓄音機をかける石井さん。

 

 蓋を閉めた蓄音機の上のロビン。ビクターの犬マークのようです。

 

 カウンターから顔をのぞかせるシェフ。フレンチ経験が長いこともあり、料理のベースはフレンチ。ソースが絶品だと評判です。

 

 これは何? と二度見してしまうメニュー名がたくさん書かれた黒板。楽しげです。

 

 丁寧な料理に合う、国内クラフトビールや舞浜(千葉)の地ビールが楽しめる。

 

 人気メニューの「かきたまごのキノコとトリュフのソース」濃厚トリュフソースの中にふわふわかき卵の組み合わせが絶妙。パンにつけていただきます。

 

 看板メニューのオムカレー。白いカレーソースはマイルドでありながらスパイシー。ソースのおかわりもできます。

 

 オムカレーは2015年“ヱビスビールに合う逸品グランプリ”に選ばれ、さらに数ある候補の中から投票で選ばれた、最優秀グランプリを受賞。

 

 看板猫効果はネットの発信を含め絶大。口コミでも「美味しい料理がある」と、猫好きが猫好きを連れてくるそう。

 

 石井さんとロビン。ロビンには本日の予約状況を前もって話しているそう。そのわけは「ちゃんと理解しているから」とのこと。

 

 お店は、ランチの13時から通してオープン。昼飲みも楽しめる店として、ご近所さんからお勤めの人まで訪れています。

東京ロビン
住所/東京都渋谷区恵比寿4丁目10−8 エビスビル 2F
営業/13:00~24:00
電話/03-6447-7333
定休日/毎週月曜日