「人の印象の専門家」の吉武利恵です。

 日本の年中行事は、長い歳月を経て私たちの生活の中で伝えられてきました。

 しかし、最近では生活スタイルが変わり、年中行事も簡略化されてきているのを感じます。「なぜ、それを行うのか」「どんな意味が込められているのか」など、それを行う理由を知らなければ、時間経過とともに行う必然性は薄くなっていき、いつか、消滅してしまうかもしれません。

 日本の年中行事の意味付けには、諸説あり、解釈も幾つかあります。どれが正しいかは解釈する人によりさまざまです。しかし、その1つの解釈の意味すら知らないのと1つは知っているのでは、教養という観点の印象は全く異なります。

 日本人として、日本文化の教養や知識を持つことも必要ではないでしょうか? ただの年越しではないのが日本の「お正月」。今回はこの「お正月」を取り上げてまいります。

「門松」の意味、分かっていますか?

●お正月:お正月は1月のことです。その年の「歳神様(としがみさま)」が日の出と共に、家々を訪れて、祝福を与えてくれる特別な行事です。1月1日の元旦は、四方節という節句であり、祝日です。

●お正月までの準備:年末までに、すす払いでお家をきれいに掃除して、正月飾りをして、歳神様をお迎えする準備をします。

●正月飾り「門松」:常緑樹や松が歳神様が降り立つ場所になります。29日は「苦飾り」、31日は「一夜飾り」といわれ避けられているので、12月28日までに飾ります。飾る場所や飾る種類など、地域独自の風習もあるので、その土地のしきたりを調べてみてくださいね。近年、会社やビルの入り口に飾る門松は、おめでたい「松竹梅」の3種を飾るものが増えてきました。

●正月飾り「しめ縄(注連縄)」:歳神様に入っていただく入り口の印としてしめ縄を飾ります。歳神様は穀物・農業の神様です。その年の新しい稲が付く藁(わら)でしめ縄を作ります。飾る時期は門松同様に、28日までに飾ります。お正月のめでたさを表す縁起物の装飾飾りが付いたものは、江戸時代から販売されるようになりました。

 そして、現在、スーパーマーケットなどで販売されているしめ縄の縄部分の素材は、中国産の水草が利用されているのをご存じでしょうか? 穀物神の歳神様をお迎えする入り口の目印は稲藁(いなわら)を使ったしめ縄飾りが基本です。水草は雑草なので、水草が入り口の役目を本当に果たしてくれるかは疑問ですね。

しめ縄をつくるワークショップに参加しました!

 

 そんな疑問を解決すべく、一般社団法人国際教養振興協会が2012年から「しめ縄プロジェクト」を発足させています。

 日本でしめ縄用の稲藁栽培は中国の水草に押され、神事で利用する一部しか生産されていません。

 

 この「しめ縄プロジェクト」では、神事用で使う穂が出る前の8月に収穫したもち米の稲藁を作ってもらい、全国でしめ縄を作るワークショップを開催しています。

 しめ縄作りのワークショップの前には、代表の東條英利(とうじょうひでとし)さんのお正月講座で、面白く日本文化を分かりやすく教えていただけます。

 私も川崎の稲毛神社で開催した「しめ縄プロジェクト」に参加して、お払いをしていただいた稲藁でしめ縄を作ってきました。

 

 2012年20人から始まった本プロジェクトは、日本のみならず、海外でも開催され、今年1000人を超える参加者になる予定です。2018年は12月24日まで開催予定とのことです。お近くの方はぜひ、日本文化に触れてみてはいかがでしょうか?

 そして、この「しめ縄プロジェクト」は2019年も継続と聞いております。学校、団体、神社、町おこしなどでも開催が可能です。ご興味ある方は、ぜひ来年ご参加ください。