プロだけが質にこだわる資格がある

 

 逆に責任者やプロフェッショナルならば、1つの判断ミスが大きな損害を生み出すので、仕事の質にこだわるべきだと今では感じています。自分の判断で多くの人や予算が動いたり、製品のコンセプトが大きく変わるような立場にいる場合は、当然、リスクも高いので決断までに時間をかけていくべきです。

 逆に言うと、そうしたポジションの人だけが、質を優先するレベルに到達しているのではないかと思うのです。責任者や役職に就いている人は、経験という一定の量をこなしている人ばかりです。量をこなしているからこそ、高い質を提供することができるのです。

 私も含めて、できればミスをしたくない、うまくいく仕事をしたい、と考えている人は多いと思います。失敗すれば怒られるし自分の評価も下がるかもしれない、こんな稚拙な案を提出するのは恥ずかしい、もっと時間をかければいいものができるのに、という気持ちは私もしょっちゅう感じています。

 でも、たっぷり時間も予算もかけられる仕事がほとんどないことは、誰もが経験しているはずです。そして自分の考えていることは、当然ですが形にしなければ誰も知ることができません。具体的な形にして初めて、賛同や反響、お客さまからのフィードバックが得られます。

 量は、質を支えます。手を動かすこと、実際にやってみることだけが、上達への近道です。完璧主義の人ほど、まずは仕事を形にすることを恐れないでほしいです。

 未熟なアイデアも仕事も、形にさえすれば、必ず前進して良いものにできます。無駄足を踏むことを必要以上に恐れない人が、これからは活躍できるチャンスをつかめるのではないかと感じています。