11月21日に気象庁が発表した3カ月(12~2月)予報によると全国的に平年と比べ高い気温と予想される。これもエルニーニョ現象が発生しているのが主たる要因のようだ。これまでの秋(9~11月)の気温平年差をみても関東、甲信越で+1.0℃と、全国的にも秋らしさや冬の始まりを感じさえる気候とは言いにくい。

 11月の都内気温を前年と比較してグラフにまとめてみた。特に冷え込みを感じさせる最低気温において前年を下回った日は1日もなかった。各社とも苦戦が強いられる中、中軽衣料を中心に売上の達成出来た企業とできなかった企業とに明暗がはっきりと分かれた。

 

*しまむら(既存店)売上高 87.7% 客数 92.4% 客単価 96.7%

 当月度は、月度を通して気温が高く推移したことで、防寒アウターや肌着など冬物の販売が伸び悩む。また、休日が2日少なかったこともあり、売上げは前年実績を下回った。

 当月の主な施策は「しまむらグループ大創業祭」にて感謝祭価格として300円/500円/700円/900円、レジにて1000円値下げ、レジ割30%OFFとお値打ち感を意識し価格訴求を図った。また、もうすぐ2200店舗達成として2200円(税込み)コーデ、2200円商品を打ち出し集客を狙う。

 TBS人気ドラマ「下町ロケット」とコラボレーション企画を展開し、ZOZOTOWN、リアル店舗とデザインを変えて発売。リアル店舗では480円のチャームは売れていたようだ。

 しかし、既存店前年売上割れは7カ月連続、第3四半期累計の売上高も(国内合計)昨対96.0%となり、厳しい状況が続いている。

*ライトオン(既存店)売上高 92.6% 客数 89.7% 客単価 103.2%

 当月度はミリタリーアウターやスウェットトップスなど、好調に推移した商品があったものの、気温の高い日が多く、打ち出しを強化した冬素材ボトムなどの防寒商品の販売が苦戦。また、休日が前年に比べ2日少なかったこともあり、既存店売上が4カ月振りに前年を下回った。

 10月26日(語呂合わせからデニムの日と提唱)として3日間限定でデニム関連商品を含んで1万円以上の買い上げから1000ポイントをプレゼント。月末のハロウィンでは、40周年を記念して(株)東ハトのハーベストとのコラボレーションを企画した。お買い上げ先着40人にプレゼントキャンペーンを実施。合わせてキッズの1990円ボトム2本目半額による売り込みで子供の集客と拡販を狙った。秋物SALE品を2点以上の買い上げで20%OFF、楽天ペイアプリの支払い(QRコード決済)で10%ポイントバックキャンペーンなどを催したものの、前年実績には及ばなかった。

アダストリア(既存店)売上高 103.6% 客数 104.1% 客単価 99.5%

 11月は前年と比べて暖かい日が続いたものの、下旬にかけては冬物衣料の売れ行きが加速し、客数が伸長した。既存店売上高前年比クリアは4カ月連続で、主幹ブランドのグローバルワークのヤングに偏り過ぎていたMDの軌道修正が実った模様。この秋冬シーズンは今のところ堅調に推移しているようだ。

 ブランド別ではグローバルワーク、ニコアンド、ローリーズファーム、ジーナシスが好調。アイテム別では、コート・ブルゾン等のアウターやニット類が売上げの中心となり、ストール、クリスマス関連雑貨なども人気。

 グローバルワークの店頭ではマシュマロタッチのモール糸使いのアルパカ混ニットを訴求、ふわもちした肌触りで新たな触感をアピールした。ニコアンドではミラノリブのスタンド衿のプルニットが売れているようだ。メンズではグローバルワークの「惚れる手触り。」のコピーが印象的なイタリアンブークレ糸を使ったニットを訴求、レディス同様に新たな触感とストレッチをアピールした。ニット代わりに着こなせるポリエステルフリースのクルーネックなど目立った動きは軽衣料中心な印象。次月以降、本格的な重衣料の動きに注目してみたい。

ユナイテッドアローズ(既存店)売上高 101.9%*1 客数 99.6% 客単価 100.2%

 11月は月を通して気温が高く推移し、冬物アウターや防寒小物の動きに影響があったものの、メンズではジャケット、シャツ、ニット、パンツ、シューズなどが、ウィメンズではジャケット、ニット、カーディガン、スカート、ワンピース、シューズなどが好調に推移し、小売+ネット通販既存店売上高は前年同月を上回った。当月は前年同月に比べて休日が1日少なく、小売+ネット通販既存店売上高前期比に対して-2.2%程度の影響があったと推測される。月初から中旬にかけてポイント・ダブルキャンペーン、ブラックフライデーからはアウター10%OFFで集客活動に取り組んだ。

 メンズではノースフェイス・パープルレーベルの動きが良い。米国アラスカ最高峰の山のひとつ「DENALI」(デナリ)からネーミングされたデナリジャケットの復刻モデルが完売状態だ。ポーラテック・クラシック300というフリース素材を使って3アイテムを展開している。また、同ブランドのE/C(ポリエステル/コットン)65/35素材を使った光電子ダウンを使ったパーカーも人気で、気温に関係なく例外的に売れているようだ。

MUJI(既存店)売上高 105.9%*2 客数 107.7% 客単価 94.4%

 衣服・雑貨では前月に引き続き、気温が高めに推移したためハイゲージのニットやシャツ、カットソー全般の販売が堅調だったものの、冬物のアウターのトップスや防寒小物の売上は例年よりも伸び悩む。生活雑貨ではタオル、スリッパ、小物収納、キッチン用品の売上げが伸長し、既存店客数の上昇に寄与したものの、毛布、リビング家具、季節家電の売上げが苦戦した。

 今月は11/16~11/26まで会員対象に10%OFFの無印良品週間を実施、ブラックフライデーにはテナントとして入る商業施設やネットストア限定で3倍マイルプレゼントキャンペーンを展開した。レディスではオーガニックコットンフランネルシャツ、今年の強化素材の1つでもあるヤクウールのクルーネックカーディガン、メンズではオーガニックコットンのムラ糸裏毛のフルジップパーカーや洗えるメリノウールVネックカーディガン、ヤクウールのクルーネックカーディガンなどの中軽衣料が中心に売れた。

 この時期、前年同月ではレディスのフレンチダウン・ノーカラーブルゾン5990円(税込)が完売状態になったことを思えば、今年のこの時期の売れ筋商品が2990~3990円が中心だと客単価の落ち込みは当然の結果といえよう。

ユニクロ(既存店)売上高 95.7% 客数 98.3% 客単価 97.3%

 引き続き気温が高かったことに加え、16、17年と2年連続で同月の売上高が伸びていたことで前年実績のハードルも高かった。週末が前年同月より少なかったこともあり、客数は減だった。新製品のプレミアムラムセーターや、トレンドのボア、フリースのトップなどは動いたが、前月に続き気温が高かったため、防寒衣料全般の売れ行きが鈍かった。

 今年の誕生感謝祭は例年以上に、テーブル什器脇や売場の隅に商品補充用のクリアボックスまで持ち込んで挑んだが前年実績には届かなかったようだ。プレミアムグッズとして打ち出した、セサミストリート×カウズのぬいぐるみも初代スヌーピーのような売れ行きではなかった。誕生感謝祭の期間中は圧倒的にヒートテックやビジネスシャツといった日用品中心で、重衣料関係ではウルトラライトダウンを手にしたお客を見掛けることができた程度。

 こうした状況は2年前の暖冬と呼ばれたシーズンを思い出す。その2年前は、メンズのシームレスダウンを12/16週に1万円以下に値下げ対応した。今年も同様のタイミングで、見切るのかこれからの動向が注目されるところだ。