1996年をピークに減少を続ける雑誌・書籍市場。書籍の場合、一部ベストセラーの登場により盛り上がるものの低落傾向は変わらない。特に雑誌については1997年以降、連続で低下。そして、これらは販路である書店の低迷にも現れる。

 その中にあって“オンライン書店”である富士山マガジンが長期低落カテゴリーである雑誌を主力にしながら新しい書店の姿を示している。

苦戦するリアル書店チェーン

 現在、国内の書店チェーンを店舗数で見ると未来屋書店が約340店舗とトップ。イオングループ系の同社は2015年にダイエー系書店アシーネを統合し、現在の店舗数となった。次いで宮脇書店(約260店舗)。主にスーパーマーケットを核店舗としたショッピングセンター内への出店が中心。

 これらのチェーンはいずれも非上場であるため、業績の詳細、推移は不明であるが、店舗数では上記チェーンに続く文教堂グループホールディングス(161店舗)、三洋堂ホールディングス(83店舗)の2社の上場企業を参考に書店企業の現況を見てみる。

 文教堂は上場以降、2011年8月期に売上高375億円をあげて以来、2018年8月期の273億円までほぼ減収を続けており、同期は経常赤字となっている。東海地区に拠点を置く三洋堂ホールディングスも2009年3月期の284億円をピークに9期連続の減収(2018年3月期213億円)。書籍・雑誌にウエートを置くこれら2社に書店業界が象徴される。

取扱件数、購読会員数とも増加中

 そんな中、富士山マガジンサービスが堅調に業績を伸ばしている。

 同社は2002年に設立された。インターネットを通じてユーザーからの定期購読受注および代金収納を出版社に代わって行う、いわば雑誌のマーケットプレイスを展開してきた。出版社からの手数料が主な収益であるが、2017年12月期の売上高29億円(前年比113.7%)、2018年12月期も33億円と増収を見込んでいる。収益源となる取扱高および購読会員数は2015年の179億円、194万人から2017年の207億円、275万人と伸びている。

 その後、月極め契約や一部売りの導入など販売パターンを広げ、購読者数確保を図っている。また購読者への配送受託も手掛けることで、契約出版社数を増やし、取り扱いラインアップ(2017年12月時点で紙媒体1万3047誌、デジタル誌3660誌)を強化してきた。

 ただし、オンライン書店であるためサイト上での広告宣伝費強化、システム投資および要員の確保、また配送費などコストアップ要因がついてまわる。一方で、出版社にとっては購読会員数および購読データベースを持つ富士山マガジンは、読者にコンテンツを届ける有力なプラットフォームに既になっている。

最新号

ファッション販売2019年1月号

ファッション販売2019年1月号

絶好調 百貨店の自主編集売場

■絶好調 百貨店の自主編集売場 ■年始セール対策 ■2019年52週年間MDカレンダー ■超繁忙期の店頭掲示