まずブラックフライデーについて簡単に説明しておきたい。

 これは米国の祝日サンクスギビングデイ(英語:Thanksgiving Day)という感謝祭に合わせて催される一大セールスイベント。それまで赤字経営だったお店がこのセールをきっかけに黒字経営に変わったことからブラックフライデーとネーミングされたらしい。

 本場・米国では、11月の第4木曜日がサンクスギビングデイに当たる。今年は日本の勤労感謝前日の11月22日だったことから、この日からセールスイベントを開始した企業も多かった。

 世界的にみても11月からはセールスイベントが目白押しとなる。中国最大のオンラインセールスのダブルイレブン(11月11日)とも呼ばれる「独身の日」では、アリババ集団、京東集団、蘇寧易購のネット大手3社の取引額は4000億元(約6兆5000億円)を超えたと見られ、底堅い中国消費を印象づけた。

今年はチェーン、ディスカウント系中心に注力していた

 日本ではなかなか冷え込まない秋冬シーズンに、大半のアパレル各社が苦境を強いられているのが現状。

 

 そうした中から、がぜん、目新しさに鮮度が感じられるブラックフライデーに掛ける期待感が膨らんだわけで、折しも22~25日までの4日間は寒波の張り出しもあって最低気温は10℃を下回り、最高気温も一番高かった15.3℃を記録した23日を除けば、例年並みの気温だった。

 今年はイオンを筆頭にテレビCMの効果や一部メディアでも取り上げられたこともあってか客足は順調に見えた。ブラックフライデー実施店は、主に専門チェーン系や量販店、ディスカウント系店舗の大量販売店が中心で、百貨店やセレクトショップでは10%OFFと消極的な取り組みが目立った。

 また、例年、勤労感謝の日の直前の週末から始まるユニクロの誕生感謝祭も重なったことから、ユニクロをライバル視する量販店を中心としたアパレル小売りの店頭は大勢のお客で賑わいを見せていた。

GAPで見た「50%OFFでレジに向かう長蛇の列」

 本場・米国をほうふつとさせたのはGAPだろうか。一部商品を除き50%OFFからかメンズ、子供服売場を中心にレジに向かって長蛇の列を作っていた。H&Mは60%OFF、アメリカンイーグルは40%OFFとディカウント率は、それぞれの実績と業績推移に応じた判断からかブランドによってまちまち。唯一、ZARAが一切、取り組んでいなかったのは印象的だった。

 その他のブラックフライデー実施店舗を見て回った印象では、肌着やインナー、ソックスといった日用品がよく売れていたようだ。キャリーケース、パジャマ関連とホームウエアもよく売れていたし、ビジネススーツもリピーター買いもあっておおむね好調だった様子。逆に厳しかったのは重衣料で、その中でも動きがあったのはウルトラライトダウンやWフェイスのコーディガンといった軽量系アウターくらい。期待の重アウターにまで、なかなか手が伸びてこないのが、今年の一大傾向でもある。