イラスト/永谷せん

ヒトの心は不思議がいっぱい。それを探るのが心理学。心理学は実践の科学です。実際に使えば理解も早いし応用も利くようになります。ご紹介する心理テクニックは現場で役立つことばかり。ぜひ使って販売力をUPさせましょう。

「目の前のお客さまの名前が思い出せない」という経験はないでしょうか。一度でもそんな経験があるとしたら、早めに脳のお手入れをしておいた方が賢明ですよ。

 記憶は、「覚える」と「想起」という2つの働きによって成り立っていますが、ど忘れは覚えてはいるのに想起ができないときに起こります。

 ど忘れをして頭を抱えてしまうのは、何も中高年とは限りません。若い人だってうかうかとはしていられません。長期入院した人の足の筋肉が痩せ細ってしまうように、頭だって使わなければ、たちまち衰えてしまうのですから。

 実際、最近は漢字が満足に書けない若者が増えているといいます。その原因は主にパソコンや携帯電話の普及にあると思われます。

 それらのデジタル機器を悪者扱いするわけではありませんが、読みを入力するだけで事が済んでしまうので、漢字を書くための神経回路のネットワークが失われてしまうのです。

 電話番号にしてもそうで、ワンクリックで出てくるので覚える必要がない。となると、脳は正直ですから、長期記憶から番号を削除してしまうんですね。だから、携帯電話をなくすと大慌てすることになってしまいます。

 でもその一方で、脳は鍛えれば、機能は確実に回復します。回復するだけでなく発達もします。

 その良い例が、かつてテレビCMで人気者になった、きんさん・ぎんさんという双子の姉妹でしょう。元々達者なお2人でしたが、人気が出るにつれ、ユーモアまで飛ばすほど頭がクリアになられた。

 ユーモアというのは、頭の働きの中でもかなり高次のもの。お2人は百歳を超えて、なおその能力を開発し磨かれたのです。

 脳を鍛えるのに、年齢は関係はありませんし、年齢を言い訳にはできないということです。

 

 では、どうすれば脳は鍛えられ、ど忘れを防止できるのでしょうか。そのヒントになる絵があるのでご紹介しましょう(イラスト参照)。

 これは「ホムンクルスの図」と呼ばれているもの。口や舌がやたらと大きく、手足、特に手は頭と同じくらいに大きいという、ちょっと不気味な絵です。

 これは、ペンフィールドというカナダの脳外科医が考案したもので、絵に描かれている体の部分の大小は、脳内の神経細胞がどれくらい割り当てられているかを示しています。

 つまり、唇や舌、手の指の動きにはたくさんの神経細胞が関係しているということ。 ということは、唇や舌、手の指を活発に動かせば、それだけ脳の神経が働き、活性化するということになりますね。

 試しに、次の早口言葉を声を出して言ってみてください。

「ジャズシャンソン歌手」「赤巻紙青巻紙黄巻紙」「カエルぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ、合わせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ」

 最初はゆっくり、だんだんテンポアップさせて、10回繰り返してみてください。脳にかなりの疲労感を覚えるはずです。それはすなわち、脳が刺激され活性化したということ。

 これを毎朝、習慣にすると、脳がシャキッとして、ど忘れ防止にも役立つはずです。

 脳の疲労がとれないようなら、脳に素早く栄養(グリコーゲン)が行き渡る100%果汁のジュースなどを飲んで、脳をリフレッシュさせてあげてください。