大手企業、行政との連携と24億円

 総務省が「日本のシェアリングエコノミー」に関して平成30年版情報通信白書を出していますが、その調査によると、シェアリングサービスを知っている日本人のうち、駐車場シェアの利用率が一番多くなっています。

 ライドシェア、民泊などは認知度こそ上がっていますが、ライドシェアも民泊も使ったことがある人は日本人の4.9%しかいません。他国は駐車場よりライドシェア、民泊の方が高いのですが、日本では駐車場が伸びているのです。

 ですから、この間、リクルート、楽天、ドコモ、ソフトバンクに、駐車場系の売上げ上位会社など、さまざまな会社がこの業界に参入してきました。

 それでも、akippaはシェア50%で、どんどん2位を引き離しています。その理由は、初期からこのビジネスを推し進めたことで駐車場数が多く、駐車利用者ユーザーがどんどん集まることが挙げられます。

 そして、利用者ユーザーが集まると、駐車場の稼働率が高まるので、駐車場オーナーはakippaを選んでくれます。その結果、楽天とリクルートは今年このビジネスから撤退されました。

 それと、われわれの場合、さまざまな行政や大企業との連携も大きいんです。日本郵政グループ、JR東日本グループ、住友商事など14社から24億円を集め資金力を持っていますが、駐車場ビジネスの大手でも私たちよりも資金をかけているところはありません。

将来の「モビリティプラットフォーム」

 こうして駐車場ビジネスをやっていますと、ドライバー情報、目的情報、車の情報、車検情報など、いろんなデータがたまってきます。われわれとしては、このデータを活用し、例えば、駐車場を使う方に「このカーシェアやレンタカーを使いませんか?」と提案したり、駐車場と同時にレンタカーも予約できるようにしたいと考え、ニッポンレンタカーとはその面での連携が決まっています。

 さらに今、地方では移動が難しいという「困りごと」が生まれていて、高齢になると車を運転できなくなるし、路線バスも廃止され、タクシーもなくて移動ができないという問題があります。

 われわれはこういう所に「移動できる世界」をつくるため、将来的に「モビリティ(流動性、移動性)プラットフォーム」を構築したいと考えています。

「モビリティプラットフォーム」の構想イメージ/人を移動させる「モビリティプラットフォーム」構想のイメージ図。駐車場を挟んで、電車、バスなどさまざまな手段で人を目的地まで運ぶ。将来的には、さまざまなデータを活用して車の自動運転システムの構築を目指している。

 それは、例えば岩手県で年金だけで生活するような人向けの自動運転のプラットフォームで、その人たちがお金を払うのではなく、東京で活躍している岩手県出身の方々からクラウドファンディングでお金を集めて、自動運転のシステムを運営するということです。

 過疎地域に住む方で、akippaのアプリを今、使われている方にはそのまま使い続けていただいて、70歳になったときに運転ができなくなったら「akippa、車呼んで」と言ったら、車を呼べるような世界感を目指しています。将来的に自動運転の車の時代になると、駐車場はそれほど多く必要ではなくなるので、そのときは今ある駐車場を自動運転の車の充電場所などに替えることを考えています。

 そうした将来の「モビリティプラットフォーム」の核となるのが、「シェア駐車場」ビジネスであり、日本でしっかりこれをつくったら、高齢化が進む他国にも展開できると思っています。

※本記事は『商業界』2018年12月号に掲載されたものです。内容は取材当時のものです。

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