厚生労働省のデータによれば、平成26年時点で専業主婦世帯は687万世帯、1114万世帯が共働き世帯と発表されています。数値は昭和55年時点とほぼ逆転、女性の社会進出や雇用形態の変化、少子高齢化など複合的な要因で、共働き世帯の割合は今後も増加していくと推察されます。

 この連載では実際に共働きしている家族を料理・買物・生活という切り口で取り上げ、どんな日常を送っているのかショートエピソード形式で毎週お届けします。

第21話 出世欲のない夫・賢治の目線

 わが家は僕の実の母、つまり子供たちから見ればおばあちゃんと同居する2世帯同居の形式を取っている。住空間は完全に分離していること、お互いに干渉し過ぎないことが功を奏しているのか、とてもうまく回っている。

 中古の戸建物件をリフォームして住んでいるので、定期的なメンテナンスが必要となることは大変だけれど、それ以上にメリットが多い。

 お互いの住居費が安く済むこと、小学生の子供たちの学童保育のお迎えが頼めること、夫婦で仕事に気兼ねなく打ち込めること、平日の夕飯を作ってもらえること……数えたらキリがない。

 母にとっても、父を亡くしてから広いマンションで1人暮らしをするよりも、孫の顔が見られること、話し相手が近くにいることが、良い暮らしにつながっているようだ。

 当初は巷で言われるような「妻と義母の関係」がどうなるかなと内心思っていたが、いざ住んでみると「妻&母2対夫の僕1」と意見が分かれることの方が多く、拍子抜けした。もちろん僕にとっては長年一緒に暮らしてきた母親なので、普段暮らしていく上で変に気を遣うこともない。

 むしろ僕よりも妻の方が、子供たちの進路や教育について相談するなどして母を頼りにしているようだ。

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 平日に溜まった家事は、妻と一緒にすることが多い。

 効率最優先なので、洗濯乾燥機・ロボット掃除機・食洗機の「3種の神器」は当然フル活用。出勤前にロボット掃除機のボタンを押しておけば、帰宅時には部屋がきれいになっている。

 自分たちでやる家事は、乾燥機をかけられないタイプの洗濯物を干すか、食洗器に入れられない大皿や漆器を洗う食器洗いがメインで、2人でどちらかを分担して行う。乾いた洗濯物は、帰宅後にテレビを見ながら畳んでいる。

 窓際の壁には書類用のキャビネットがあるけれど、ついつい読み終えたままのDMをダイニングテーブルに出しっぱなしにしていてよく注意される。

 僕も、妻も、片付けは苦手なのだ。

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「ねえ、明日みんなでどこか出掛けようよ」

 仕事を終えて一息ついた金曜日の夜、晩酌しながら妻を誘ってみる。普段の帰りは21時や22時がデフォルトなので、たまの休日は家族で出掛けたい。

「どこに? でも、部屋の掃除とかもしちゃいたいんだけど」

「いや、行き先は特に考えていないんだけど」

 彼女は家で疲れを取りたいタイプなのか、あまり土曜日の外出に乗り気ではない。家族で過ごせる貴重な休日に、出掛けたくないのだろうか?

 2人とも働いているとその分、レジャーを楽しむお金には余裕が生まれる。夫婦の結婚記念日には、義母に子供たちを見ていてもらって2人きりでレストランディナーを楽しむこともできる。

 2人きりになって話すのは、お互いに関心がある話や仕事のことばかり。もちろん、子供たちの話題は欠かせないけれど、お互いに特に出世欲もない中堅社員として今後どう働いていくべきかなど、普段、面と向かって話せない話題をじっくり話す。

 こんな時間を取れるのも、2世帯同居のメリットと言えるだろう。

 共働き生活をうまく続けていくコツは、夫婦で対話する時間を作ることだと思う。忙しく過ごしていると必要最低限の事務連絡や子供の話が中心となり、なかなか自分たちに関する話を深める時間までは取れない。

 そうすると、相手が何を考えているのか分からなくなっていく。こじれた関係を修復するには、話し合う時間も、状況を受け入れる気合いも必要だ。

 だから難しいけれど、こまめに2人の時間を作ること。それが共働き生活がうまくいく一番のコツだと思う。

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第22話 姑と同居する妻・尚の目線

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